日野日出志「怪談(尾崎秀樹・監修/1985年発行?)
・第1話 春の章「茶わんの中」
・第2話 夏の章「耳なし芳一」
・第3話 秋の章「ろくろ首」
・第4話 冬の章「雪女」
「旺文社名作まんがシリーズ」の一冊として出されたものですが、題材が「怪談」と来て、漫画担当はあの日野日出志先生!!
表紙を見れば一目瞭然ですが、いつものノリで、全く手加減せずグロ描写をガンガン打ち出しております。
学校の図書館でうっかりこれを読んで、深いトラウマを刻みつけられたチビッ子は多いのではないでしょうか?
内容としては、ほぼ小泉八雲の原作通りですが、「茶わんの中」はラストを少し付け足しております。
その付け足したラストは「マネキンの部屋」(「まだらの卵」収録)みたいな感じで、四話中で最もトラウマ度は高めです。
個人的には、「耳なし芳一」の亡霊が耳を引きちぎるシーンがかなり痛そうで、印象に残りました。(原作の描写はあっさりしてるのに…。)
ところで、「ろくろ首」ですけど、首の後ろについている尻尾みたいなものは何なんでしょうか?
ともあれ、つのだじろう版「怪談」(マンガ日本の古典/中央公論新社)より楽しめるのではないか…と私は思っております。
ちなみに、欄外には「ミニ知識」のコーナーがあり、世界中の怪談・奇談についての知識を得ることができます。
巻末には「わたしの今昔対談」という漫画があり、女優の岸田今日子さんが活字中毒だった子供の頃について語っております。
この漫画を描いたのはあの中田雅喜先生…こんな仕事もされていたんだ…。
・備考
カバーが裂けまくって、テープ補修されている。
2024年8月20日 ページ作成・執筆