好美のぼる「闇の眼少女」(220円)
「山奥の小屋で暮らす、孤児の姉妹。
妹の佐代子は、身体が「じゅくじゅく」して、縮んでいく奇病に冒されていた。
姉は妹の血を入れ替えようと、道に迷ったキャンパーの兄妹の妹の方を殺す。
だが、あまりに人間離れした身体になった佐代子は、姉とキャンパーの兄を殺害して、里に下りる。
以降、子供が殺される事件が立て続けに起き、山村はパニックとなる。
非常体制が取られ、子供達は学校に避難、男衆は山狩りをして、佐代子の行方を探す。
その頃、学校に立つ木の上で、芋虫のような身体となった佐代子は闇に眼を光らせていた…」
何ちゅ〜か、いろんな意味で、ひどい話です。
子供が犠牲者となるので、今現在では問題となる内容かもしれません。(子供の首吊り死体の描写があったります。芋虫のような身体でどうやって首を吊ったのか、イマイチ不明ですが。)
ストーリーもまた、テキト〜です。
要約すると、「身体が縮む病気にかかった少女が殺人鬼になった挙句、眼球以外、身体が全部溶けて、終わり」というものでして、読み返してみても、やっぱりワケわかりません。
特殊メイクをリック・ベイカーが担当したことで有名なゲテモノ・ホラー映画「溶解人間」(米/1978年/未見)を先取りしていたとか?
とりあえず、「身体が縮む病気」は怪作「奇形児」でも扱われておりますので、好美先生お気に入りのアイデアだったのかもしれません。
この作品は、後に同じ出版社から出たアケボノ・コミックスの「妖怪合戦」(その他の出版社/曙出版)にて、「鬼女」とのカップリングで再録されております。
その際、貸本の
pp5〜8(巻頭ダイジェスト)、pp13〜20(山犬が包帯を奪うシーン)、p25、p28、p43、p47、p49、p69、p76、p108
が削除されております。
・備考
ある親切な方から貴重な御本をお借りいたしました。本当にありがとうございます。借りたものですので、問い合わせをされましても、答えられないことが多いと思います。ご了承ください。
2021年10月15日 ページ作成・執筆