池川伸治「愛子の鬼ボクロ」(220円/1966年10月17日完成)
「光子は孤児の身。
彼女は、同じ孤児院にいた愛子を訪ねて、古川のお邸を訪ねる。
愛子は、ある企業の社長にもらわれたのだが、何かトラブルがあり、光子を手紙で呼び寄せたのであった。
光子は愛子と再会するも、愛子は元気がなく、孤児院に帰りたいとこぼす。
養父は彼女をとても大事にしてくれるが、養母と庭番の爺やは彼女を歓迎していない。
また、夜になると、彼女は悪夢に悩まされ、目を覚ますと、ベッドのあたりから、原因不明の物音がするのであった。
光子は愛子と同じ部屋に住み込み、奇怪な現象の原因を突き止めようとする。
だが、異変は物音だけにとどまらず、朝目覚めると、部屋の中が毛や血液でいっぱいになっていたり(注1)、どこからか頭蓋骨が飛んできたりと、おかしなこと続き。
爺やは主人に、古川家を女が継ぐと、祟りが起こると説得しようとするが、主人は頑として愛子を手放そうとしない。
爺やと一緒に住んでいる、山本治という少年が事情を知っているようなのだが…」
なかなか面白いです。
ただし、タイトルの「鬼ボクロ」、ストーリーと全くといい程、絡みません。(その代わりと言っては何ですが、入浴シーンをどうぞ。)
タイトルで期待していたので、ちょっと損した気分です。
中盤に「僕の想い出」というエッセーがあります。
池川先生が小学生の頃に聞いた怪談等について書かれたものですが、昔から、トイレの「あかい紙 白い紙」の怪談があったことに驚かされました。
なお、巻末には、川辺フジオ先生のショート・ショート「愛と夢」(乙女ちっく!)と、「漫画教室 第三回 中等科」(案のつくり方)が掲載されております。
・注1
血の洪水は「ゴッドファーザー」も真っ青だぜ!
・備考
ビニール・カバー貼り付け。上側に水濡れ(?)か何かのシミがあり、コマにかかった部分は薄れ。pp33・34、製本の際のミスらしい折れあり。pp16・17、pp32・33、米粒か何かが挟まったための剥がれあり。後ろの遊び紙、ボールペンでの書き込みと貸本店のスタンプあり。
2020年6月17日 ページ作成・執筆