「オール怪談・37」(1962年頃?/170円)



 収録作品

・いばら美喜「おじいさんの木」
「元・ヤクザだった青年。
 彼は今は工員で生計を立て、下宿屋の娘とも親しくなった。
 ある日、仕事からの帰り、娘が街角の木を「おじいさんの木」と彼に教える。
 この木は、娘のおじいさんに変調が起こるたびに、枯れていくと言う。
 下宿した青年は、とある用件で呼び出されるが、それはボスの陰謀だった…」
「怪談・96」(つばめ出版)にて再録。タイトル画像を御覧になりたい方はそちらのページへどうぞ。

・北風三平「だるま」
「ベテラン刑部と部下の青年は、パンを万引きした少女を連行する途中、線路に置き去りにして、轢死させてしまう。
 激しい後悔に襲われる部下の青年は、数日後、ベテラン警部がセスナ機で事故をする夢を見る。
 その夢の通り、警部は仕事の用でセスナ機で飛び立つのだが…」
 地味にイヤな話。最後のコマの「こわい……」は非常に実感があります。

・古賀しんさく「目のない顔」
「生まれついての奇形な顔の男。
 妹の縁談のため、何とか普通の顔になりたいと願う。
 そこへ整形手術専門の医師と名乗る男が現れ、顔の皮を取り替えることができるという。
 男は、中学校の頃の友人を殺し、医師のもとに運ぼうとするが、車がパンクしてしまい…」
 昔のマンガを読んで、よく感じるのは、ジョルジュ・フランジェ監督『顔のない眼』(仏/1960年)の影響力の大きさです。
 白黒ですが、今現在、観ても、素晴らしい映画でありまして、怪奇映画というジャンルを易々と飛び越えた傑作でありましょう。
 んで、その設定を借りたマンガでありますが、古賀新一先生独特なミョ〜なアレンジがされておりまして、なかなか味があります。
「怪談・94」(つばめ出版)にて再録。

・落合二郎&サツキ貫太「怪針」
「天涯孤独の身の上の洋一。彼は、生まれてからすぐ別れた兄を慕っていた。
 彼はある機会に、不思議の針を手に入れる。
 写真にその針を刺すと、写真の相手はその箇所から血を噴出して、死ぬのだった。
 それを利用して、ヤクザの組長の下で、殺し屋として活躍するが…」
 元ネタは、A・J・アラン「怪毛」。
 浜慎二先生も「怪談73」(つばめ出版)で同じテーマで描いております。

  ・備考
 状態悪し。表紙貼り付け。表紙痛み激しい。背表紙色褪せ。pp6・7ページ、下部、何かがくっついた破れあり。p7、マンガに落書きあり。pp21・22、上部に破れあり。

平成26年7月23・25日 執筆・ページ作成
平成26年10月13日 加筆訂正

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