「オール怪談・60」(1965年頃/220円)
収録作品
・小島剛夕「雷神の足もと」
「悪さが過ぎて、村の風神谷から、首に縄をつけて突き落とされる丁太郎。
しかし、縄が切れ、谷底に転落するが、丁太郎は生きていた。
その後、丁太郎は盗賊として暴れ、数々の危難に晒されるものの、危機一髪で逃れることができた。
丁太郎と昔から親友だった六助に話すには、彼が崖から落ちる間に、雷神の足元で死ぬ自分の姿を見たという。それ以後、彼は雷神以外のものは自分を殺せないと確信したのだった。
数々の武勲を立て、盗賊の首領から領主まで丁太郎は登りつめる…」
なかなか面白いです。
冒頭から、ビアスの「アウルクリーク橋の一事件」かと思ったのですが、全く違う展開を見せます。
ブラック・ユーモア風の味付けをした小奇譚で、小島剛夕先生には珍しい作風ではないでしょうか?
・岩井しげお「眼玉」
「藩の金を持ち逃げして、逃亡する二人の侍。
逃げる途中、一方の侍は、片方の侍を斬殺し、金を独り占めにする。
が、斬殺した侍の抉り取られた眼球の幻が、侍の行く先々で彼に付きまとう…」
・白土三平「赤目(第三部)」
「百姓達の間で、赤目さま(兎)の信仰が広まっていた。
それを広めるのが、片目片足の謎の僧。
そして、赤目信仰は彼の領主への復讐の密かな布石であった。
赤目信仰により増加する兎の数、それに伴う、兎を捕食する山猫の増加、そして、イナゴによる大飢饉…最後に、増えすぎた兎が急な疫病で死に絶えた時…」
・備考
ビニールカバー貼り付け。pp24・25(小島作品)、下部に米粒か何かを挟んだための小剥げあり。
平成26年11月26日 ページ作成・執筆