大坂しげる「血が欲しい」(220円)



「田代新二は母子家庭の大学受験生。
 彼の母親は生活費を稼ぐために、町外れにある西洋館に家政婦として通う。
 そこには、手品師として名を馳せた、日系オランダ人の夫婦が最近、越してきたのであった。
 実は、彼らは吸血鬼であり、こうもり傘をコウモリに変え、人の血を吸わせて、血を集めていた。
 新二の母親は、血にまみれたこうもり傘を見て、彼らの秘密に感づくが、半ば強制的に屋敷に住まわされることとなる。
 母親のことを心配した新二と、近所の幼馴染の加代が屋敷を訪れると、彼らもまた監禁されてしまう。
 そこへ、オランダ人夫婦のことを聞きつけた強盗の二人組が忍び込んでくる…」

 大坂しげる先生は絵柄から判断すると、ベテランの岩井しげお先生の可能性が高いと思います。
 ですので、絵はまあまあ上手なのですが、一冊描き下ろしということもあり、短編と違って、かなり「大雑把」な内容となっております。
 とにもかくにも、このマンガの肝は「コウモリ傘が血を吸う」というアイデアでしょう。
 後半では、コウモリ傘のコウモリの群れと警官隊が戦う描写等あって、なかなか楽しめます。
 ただ、ラストの説明が納得できるような、できないような…まあ、面白かったから、いいや。

・備考
 ビニールカバー剥がし痕あり。背表紙色褪せ。pp3・47・48、鉛筆による落書きあり。pp93〜96、目立つシミあり。目立つシミ、切れ、破れ、欠損、多々あり。前の遊び紙、貸本店のスタンプあり。

2017年3月21日 ページ作成・執筆

貸本・ひばり書房・リストに戻る

貸本ページに戻る

メインページに戻る