杉戸光史「シンデレラの骨」(220円)
「早乙女美也子は、邸の火事で、妹の澄子を亡くし、また、自分も全身大火傷を負う。
更に、彼女は記憶を失っていた。
彼女が記憶を失っていることに、家庭教師の朝野先生はひどく動揺する。
実は、彼女は、美也子ではなく、火事で亡くなったとされた澄子であった。
妹の澄子は、朝野先生と共に「シンデレラ作戦」という計画を共謀し、早乙女家の遺産を独り占めしようとする。
そこで、邸で火事を起こした際、姉を殺し、澄子は姉へのなり代わりを目論む。
そこまではうまくいったものの、澄子が記憶を失うという誤算が生じる。
朝野先生は澄子の記憶を取り戻そうとするが、澄子の前に、美也子の友人のます子や、謎の男が現れる。
彼らはシンデレラ計画について何か秘密を握っているようなのだが…。
シンデレラ計画の行方は…?」
「他人へのなり代わり」をテーマとしたサスペンスです。
杉戸光史先生の作品ですので、大きな破綻もなく、良くも悪くも、こじんまりとしております。
ラストの遺言の極端さは、確かに、発狂レベルです。
・備考
カバー欠。糸綴じの穴あり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。
2021年5月1日 執筆・ページ作成