古賀しんさく「殺しを続けろ」(190円/1963年〜1964年頃)
「探偵の二ノ宮新吾と、友人のトップ屋は釣りの帰り道、立ち往生しているダンプを目にする。
ダンプは断崖絶壁を目前にして、タイヤが石の溝にはまってしまったのであった。
新吾のハンドルさばきでダンプは苦境を脱し、新吾は運転手に感謝される。
新吾がダンプの積み荷の石に興味を示すと、それは「何十万年前の湖の底に沈んでいた化石」だと言う。
運転手に案内され、新吾達は、その化石を集めている博士を訪ねる。
博士は地質学、生物学を専門としており、化石の中に入っている古代の湖の水をプールに溜めていた。
新吾達は博士の家に泊まることになるが、そこで博士の娘と出会う。
娘は博士によって家の外には出してもらえないようであった。
数日後、新吾の探偵事務所に女性から助けを求める電話がかかってくる。
現場に駆け付けると、博士の家にいた下男の源蔵が撃たれて、瀕死の状態であった。
新吾は、チンピラ二人組から、博士の娘を救い出す。
彼女から話を聞くと、どうしても湖が見たくて、源蔵に頼んで、外に連れ出してもらったという。
そして、チンピラ達は博士が娘を連れ戻そうと雇ったらしい。
娘に頼まれ、新吾は彼女を事務所に置くのだが…。
娘の秘密とは…?
そして、博士の研究とは…?」
「ジュラシック・パーク」を先取りしたような内容に驚かされる傑作です。
古代の水の中にあった卵からは意外なものが復活しており、腰が抜けること必至です。(注1)
これは復刻する価値が充分にあると思いますので、何とかならないものでしょうか?
・注1(ネタバレがきらいな人は読まないでください)
ヒントは漢字で「※※(二文字)」、英語のカタカナ表記だと「※※※※※(五文字)」です。
アンデルセンとかで有名ですが、この作品に出てくるのは、そんなリリカルなところは微塵もなく、恐ろしく凶暴です。
・備考
カバーがボロボロ。ただし、本体は経年の痛みはあれど、まあまあ綺麗。
2022年3月18日 ページ作成・執筆