杉戸光史「石の中の影人形」(230円)

「夏休み、美智子はボーイフレンドの瀬川五郎達と、田舎の友人のもとを訪ねる。
 その際、そこを治めていた大名の血をひく、大地主のお嬢様、早川冴子は五郎に一目見るなり惹かれ、彼に近づくために策を弄する。
 ある夜、冴子にうまく誘い出された五郎を捜すうち、美智子はつまずいて、ある石碑に額をぶつけ、気絶する。
 怪我は大したことなかったものの、この石碑に彫られていた女の顔がこれを機に消えてしまう。
 翌日の村祭り、またもや姿をくらました五郎を美智子が捜していると、五郎と冴子が二人きりでいる場面に出くわしてしまう。
 ショックを受けた美智子はその場から走り去り、つまずいて転んだところで、当惑のあまり、すすり泣く。
 すると、自分の影が若い女性の姿を伴って浮き出て、五郎を奪われたくなければ、冴子を殺すよう、美智子を唆す。
 美智子の悲鳴を聞きつけ、五郎は美智子のもとに駆け付けるが、その時には、影は普通の影でしかない。
 美知子の懇願もあり、翌日、美智子と五郎は町に戻る。
 しかし、二学期、五郎を追いかけて、冴子が同じ学校の同じクラスに転入してくる。
 そして、嫉妬に苦しむ美智子の前に再び影が姿を現すようになるのだった。
 美智子の影に潜む、若い女性の正体は…?」

 怪奇マンガの中にちらほら挿入される、少女マンガちっくな描写の数々が味わい深いです。
 初期は少女漫画も描いておりましたので、昔取った杵柄ということなのでしょう。

・備考
 ビニールカバー貼り付け、また、それによる表紙の歪みが若干あり。上部端に軽い折れ痕あり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。。

2016年6月10日 ページ作成・執筆

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