大石まどか「四人の男を殺した少女」(220円)
「典子は大きな邸で父親と使用人の竜平と暮らしていた。
ある夜、父親が土蔵で巨大な仏像の下敷きになり、亡くなる。
葬式の後、典子は土蔵で父親の死因について考える。
彼女が幼い頃、母親もここで首を吊って死んでいた。
そこに竜平が現れ、典子に話があると言う。
話とは、土蔵の奥にある部屋のことで、これは家を継ぐ者だけの秘密であった。
その部屋には、名人や巨匠による、この家伝来の家宝が集められていた。
彼女の先祖はもとは足軽であったが、数々の武勲を立て、五千石取りにまで出世していた。
その武勲の褒賞として殿様にいただいたのがこれらの品々で、これらを決して手放さないという掟があった。
しかし、典子にとってはこんな骨董品、何の魅力もない。
また、竜平はこれらを処分するよう勧める。
先祖は出世をするために非道な行いをしており、それに対する恨みや呪いがこの宝物に宿っているのではないか、と竜平は話す。
実際、典子の一族は多くが非業の死を遂げていて、竜平は典子の身を心配していた。
当の典子は呪いの因縁なんか迷信扱いして、全く関心がない。
彼女が外の空気を吸いに出た時、不気味な老人に話しかけられる。
老人は、彼女が「不吉の影に包まれて」いて、「その前兆として顔に四つのシミがみられる」と注意する。
シミにどのような意味があるのかはわからないが、特に、四つ目のシミが強いらしい。
その老人の予言か、叔父の巻坂、男友達の水原といった、彼女に関わりのある男性が次々と死んでいく…」
タイトルで壮絶なネタバレをしておりますが、まあ、そういう内容です。
ストーリーやラストに捻りがなく、若干物足りなさはあるものの、マッド・ドクターに硫酸で溶かされそうになるというワクワクな展開があるので、良しといたしましょう。
・備考
ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。所々、目立つシミ・汚れあり。p18、p56、p77p90まで上部のコマにギリギリの所に針で刺したような穴。後ろの見返しに、貸本店のスタンプ、貼り紙、書き込みあり。
2022年10月12日 ページ作成・執筆