松下哲也「恐ろしき人魚の島」(1965年頃/220円)
「宮古島の最も北に位置する仲宗根部落。
仲宗根しぶきは、行方不明になった姉、浜子の墓参りに出かけた際、美しい女性を見かける。
彼女の名は千波といい、島では人魚と噂されている女性であった。
というのも、彼女は三百年もの間、年をとっていないのだと言う。
しぶきは一目見て、千波が気になって仕方がない。
その日、父親の知り合いの息子、路夫が島に遊びに来る。
路夫としぶきは、同じ年頃もあってか、すぐに惹かれ合う。
しかし、路夫がひょんなことから千波を目にしてしまい、一目惚れ。
夜、路夫はこっそり千波の家に忍んでいくが、この時の光景を後をつけていたしぶきに見られてしまう。
しぶきは、亡き姉の面影を持つ千波を慕っており、路夫が退散した後、千波に自分の想いのたけを込めた手紙を渡す。
手紙を読んで、密かにほくそ笑む千波。
しぶきは自分の心が通じたと有頂天になるが、一方で、島に伝わる人魚の噂を聞いた路夫は、千波にある疑いを持つ…」
とにもかくにも、人喰い描写の爽快さなのであります。
これほど、胸のすくような気持ちのいい「食べっぷり」は、他のマンガで見たことがありません。
この描写だけで、お腹いっぱいなのであります。
・備考
状態悪し。ビニールカバー剥がし痕あり、また、カバー痛み。糸綴じあり。切れ、裂け、小欠損、シミ、多数あり。読み癖、甚だし。p1の人魚の腕に青マジックの落書きあり(若干、裏に透けている)、pp75〜78、コマにかかる欠損あり。
平成27年8月11日・10月1日 ページ作成・執筆