古賀しんさく「殺人パレード」(200円/1964年頃)



「二ノ宮新吾が出会ったスリの少年、秀男。
 新吾は彼を助手として雇うが、実は、加奈子の弟であった。
 学歴社会に疑問を抱く秀男は、大学受験を強要する父親に反発して、家出をしていたのである。
 とりあえず、新吾は秀男を家に帰るよう諭し、加奈子が彼を家へ送ろうとする。
 そこに三人組の愚連隊が現れ、加奈子をナイフで脅して、連れ去ろうとする。
 新吾は彼女を守るために、あえて無抵抗を貫くが、そこに野島という男が現れ、愚連隊を叩きのめす。
 これをきっかけに、加奈子と野島の仲は接近。
 野島は、秀男の裏口入学と引き換えに、加奈子に求愛する。
 いいとこなしで新吾は荒れ、その夜、痛飲した帰り道、胸から血を流した女性が死ぬところに遭遇する。
 先月から美しい女性の行方不明事件が何件も起こっており、彼女も五日前に行方不明になっていた。
 翌日、秀男が新吾の事務所に来ると、死んだ女性の顔写真に心当たりがあると言う。
 彼女は喫茶店で野島と会っていた。
 新吾は野島を尾行するが、消息を絶つ。
 新吾を心配し、秀男は野島の家を訪ねるのだが…」

 ストーリーは、江戸川乱歩「押絵と旅する男」と「肉の蝋人形」のブレンドといった感じです。
 冒頭、映画館で「007危機一発(ロシアより愛をこめて)」を上映していて、この映画の影響の大きさを感じます。(でも、高い映画代に諦めるところが泣ける…。(注1))

・備考
 ビニールカバー貼り付け。背表紙、ネズミにかじられた痕あり。糸綴じあり。前後の見返し、ノドを紙テープで補強。上部の隅に一部、水濡れの痕あり。p102、p134、p135、落書きあり(大したものではなし)。前後の見返しに書き込み、貸出票の剥がし痕、貸本店のスタンプあり。

2022年10月24日 ページ作成・執筆

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