さがみゆき「お七の三つ首」(220円)



「若草流の後継者、佐千夫は、新作舞踊「お七と吉三(きちざ)」を、相手役の美加代と共につくり上げてきた。
 しかし、美加代は自動車事故に遭い、急死。
 発表会も近いこともあり、代役として、佐千夫に密かな想いを寄せていた千代絵が選ばれる。
 しかし、佐千夫の脳裏からは美加代の面影が去ることはなく、喪失感と運転者への憎悪に苦しむ。
 ある日、美加代が事故にあった現場に花を手向けに来た千代絵は、そこで美加代と踊る佐千夫の姿を目にする。
 佐千夫の心の中に美加代が「本当に」生きていることに恐れをなして、千代絵は代役を降りることにする。
 一方、美加代を轢いた男の妹のもとに、大きな荷物が届く。
 荷物には、等身大の着物姿の女性の人形が入っていた。
 人形は、美加代をモデルとしてつくられたお七人形であった。
 そのお七人形が血の復讐を果たすこととなる…」

 本編後の読者のページで、さがみゆき先生に女児誕生の報告があります。
 育児のために、多忙だったせいでしょうか、散漫な印象を受けます。
 特に、ストーリーがわかりにくく、整合性の取れていない部分があるのが残念です。
 その中で、斧で首切断シーンだけがやけにハイ・テンションで印象に残ります。
(今だったら、そこまで派手な描写とは思わないでしょうが、当時はかなりスプラッターだったのでは?)

・備考
 ビニールカバー貼り付け、また、それによる本体の歪みあり。ビニールカバーに何かが張り付いている。糸綴じあり。pp30・31、pp112・113、何かが挟まって、剥がれた痕あり。pp44・45、pp50・51、pp106・107、食べかすが挟まって、シミになっている(みかんを食べながら、読んでいたんですね…)。全体的にシミ多し。巻末に貸出票の剥がし痕あり。

平成27年11月26日 ページ作成・執筆

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