池川伸治「赤い部屋 白い部屋」(220円)



「愛子、石田佐代、太田トン子の三人娘は三日連続、同じ場所で、ある少女を見かける。
 その日の下校途中、少女は三人に話しかけてきて、三人を自分の誕生パーティに誘う。
 彼女は岩子という名で、三井財閥のお嬢様であった。
 立派なお邸に、美味しい料理、それに、魅力的な兄の治と、素敵なことばかりで、三人は堪能。
 帰りがけに、三人は明日もまた来てほしいと言われるが、今日のことは秘密にするよう頼まれる。
 翌日、三人娘は再び三井家のお邸を訪れる。
 治は三人に、三階の「面白い室」に案内する。
 それは「白い部屋」「赤い部屋」で、彼らの祖父母の部屋であった。
 「赤い部屋」には愛子、「白い部屋」には佐代が入るが、出て来た後、愛子は憂鬱に、佐代は躁病のようになる。
 二人の豹変ぶりを見て、トン子は自分も部屋を見せるよう主張するも、薬をかがされ、気が付くと、野原に転がっていた。
 翌日、愛子は相変わらず、不機嫌なままで、遂には、学校をとび出してしまう。
 トン子と佐代は邸を訪れて、事情を聴こうとするのだが…。
 「赤い部屋」「白い部屋」の秘密とは…?」

 人格が変化する部屋という発想は斬新だと思います。
 ただし、ラストが納得いかない!!
 ネタばれとなりますが、復讐するなら、部屋に閉じ込めた少女に憑依した方がまだ理にかなっているのでは?
 非常に惜しい作品です…。

・備考
 ビニール・カバー貼り付け。糸綴じあり。読み癖あり。シミ、汚れ、切れ、欠損、 多数。pp7・8、コマにかかる破れ(かろうじて欠損でなし)。pp12・13、米粒か何かが挟まったための剥がれあり。後ろの遊び紙、貸出票の剥がし痕あり。

2020年11月10日 ページ作成・執筆

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