杉戸光史「猫の死霊花」(220円)

「岩手県、朝霧村。
 ここに、後藤自動車を経営する後藤家の別荘があった。
 亡き社長の娘、後藤みずえは、現・社長の兄が雪山に登山するのを心配する。
 兄は毎年、自分の誕生日に登山をしており、今回は、新作エンジンの構想をまとめるためでもあった。
 だが、この地には、死霊花の伝説が言い伝えられていた。
 雪山で吹雪に巻き込まれた人間は、死の直前に、死霊花を見ると言われ、よしんば一命を得ても、気が狂うと言う。
 兄が登山に出かけたその夜、みずえは二階の窓の外に謎の女が宙に浮かんでいるのを見る。
 女は兄が遭難死したことを告げ、次は、彼女の命を奪うと予告し、姿を消す。
 そこで、みずえは、最近、知り合った滝田三郎に相談。
 花を愛する変わり者の彼は、後藤自動車のライバル、滝田自動車の社長の三男であった。
 三郎は、この事件の裏に、伝説を利用して、後藤自動車を潰そうとする、父親の陰謀があることに気付く。
 彼はみずえの危機を知るが、すでに彼女は、兄の遭難を餌に、雪山へと誘い出されていた…」

 折角、東北地方の伝説の要素を取り入れながら、強引な部分が多く、あまり面白くないと思います。
 ただ、後記に川辺フジオ先生のイラストがありますので、アシスタントとして参加していたのかもしれません。

・備考
 ビニールカバー剥がし痕ひどし(あちこち剥げてます)。カバー痛み。pp96・97、若干目立つシミ・汚れあり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。

2018年5月28日 ページ作成・執筆

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