さがみゆき「奇女を銀の皿へ」(220円)
「転校生の由利桜子は美しいが、奇妙な少女であった。
桜子は、隣の席の小野けい子に異常な程の関心を寄せる。
桜子は死体を写した写真をけい子に見せ、この秘密を共用することで、二人は接近する。
下校途中、桜子はけい子に「わたしひとりだけの友人」になるように言い、誓いの儀式と称して、けい子の左腕に噛みつく。
そして、けい子に桜子の同じ部分を噛むように促し、これで永遠の友情が約束されたと、桜子は語る。
この時以来、桜子とけい子は二人だけで過ごすようになる。
そして、桜子はその美しい外見とは裏腹に、内なる猟奇性を露わにしていく。
けい子は桜子に反発と嫌悪を覚えながらも、桜子の猟奇性に否応なく惹かれていくのだった…」
半世紀も前に「少女達の奇妙な友情」を描いた、異色のサイコ・スリラーであります。
ですが、この作品に加筆された「美少女とカラス」もしくは「血まみれカラスの呪い」の方が、内容・悪趣味さ共々、グレード・アップ!!
貸本では、有名な「かつらズボーン」はありませんし、「友情を確立するために噛みつくシーン」も大人しめです。(右の画像を参照のこと)
もし読むのなら、加筆されたバージョンの方が圧倒的にパワフルですので、そちらをお勧めいたします。
ちなみに、「奇女を銀の皿へ」というタイトルは、カラスに突き殺された桜子を前に呆然と立つけい子のラスト・ページから採られております。
・備考
ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。pp41・42、pp53・54、pp57・58、pp91・92、pp103・104、上隅にコマにかかる欠損あり。pp63・64、上下隅に欠損あり(上の欠損はコマにかかる)。pp111・112、pp115・116、下隅に小さな欠損あり。後ろの遊び紙、貸出票の貼り付けあり。
2017年1月3日 ページ作成・執筆
2020年11月23日 加筆訂正