秋本葉子「悪魔アプリ」(2016年5月6日第1刷発行)

 無料かつ手軽な「悪魔アプリ」。
 多彩な機能があり、これさえあればどんな願いでも叶えられるのだが…。

・「第1話 なかよしになりたい」
「皆上菜月は中学一年生の女の子。
 彼女は入学当初、クラスメートと仲良くなるチャンスを逃し、孤独な学校生活を送っていた。
 友達の輪に入るため、念願のスマホを手に入れたものの、現実はなかなかうまくはいかない。
 ある日、彼女はスマホで「悪魔アプリ」というものを見つけ、「マリオネット」という機能を選択する。
 それを起動したとたん、彼女はクラスの中心であるマイのグループに入れてもらえる。
 彼女はマイたちとSNSでの会話を楽しむが、話についていけないこともしばしば。
 すると、「悪魔アプリ」のAIキャラ、「ヤヒロ」が現れ、菜月がトークしやすいようにコメントを変化させる。
 しかも、変化するのはコメントだけでなく、発信者の考えや行動にまで及ぶ。
 菜月はこのアプリで友人たちを思うように操れることができることに気付き…」

・「第2話 あなたに近づきたい」
「長山藍は中学二年生の女の子。
 彼女はスマホを拾ってもらったことをきっかけに、講秀高校の塚原という男子生徒に恋をする。
 何とかお近づきになろうとするも、相手のスケジュールなどわかるはずがなく、あたふたするばかり。
 そんな彼女の前に現れたのが「悪魔アプリ」。
 このアプリの「ルート」を使えば、最速・最短の乗換を案内してくれる。
 しかも、これには塚原のハートを掴む行動まで記されていた。
 これによって、藍は塚原と恋人同士になるのだが…」

・「第3話 完璧なチームワーク」
「波柴菜々美は西中学校の三年三組。
 彼女は文化祭の実行委員で、ある日の放課後、一組・二組の実行委員と顔合わせをする。
 一組は光田清名という学年トップの大秀才、二組は後藤水希という学年一の人気者なのだが、この二人、どう考えても水と油。
 このままでは話が進まず、菜々美が焦っていると、「悪魔アプリ」なるものを見つける。
 物は試しと「チーム」という機能を選択すると、次々とスケジュールや文化祭での催しの提案等、手助けをしてくれる。
 菜々美は三人のまとまりが良くなるようアプリにお願いしていき、三人は徐々に親密になっていく。
 しかし、菜々美が「三人の能力を均一」にしてしまったことで…」

・「第4話 理想のポジション」
「川辺美弥は中学二年生の活発な女の子。
 彼女は自分のガサツなところがイヤで、同じクラスの本田愛生果(ほんだ・あいか)に憧れていた。
 本田愛生果は大企業のお嬢様で、非常に上品かつ美人、そして、成績もトップ。
 ある夜、友達とSNSでチャットしていると、スマホが急におかしくなる。
 翌朝、登校すると、親友たちが皆、彼女に対して冷たい。
 実は、誰かが彼女になりすまして、友達にひどいメールを送っていたのであった。
 どうしたらいいのか考えていると、愛生果が一人でスマホをしているのが目に入る。
 彼女は「悪魔アプリ」にのめり込んでいるようであった。
 帰宅後、美弥が悪魔アプリについて調べていると、自分のスマホが勝手に動き出す。
 見ると、何者かが美弥のSNSで友達に悪口を書きまくっていた。
 美弥はこれが「悪魔アプリ」の「アイドル」の仕業だと見抜くのだが…」

・「第5話 時間を守りたい」
「渡利唯は中学二年生の女の子。
 彼女はおっちょこちょいで、大切な予定を忘れたりすることがしょっちゅうであった。
 スケジュール管理の必要性を痛感し、彼女は「悪魔のアプリ」の「タイム」の機能を使ってみる。
 これは彼女のスケジュールを徹底的に管理してくれて、なかなかの優れものであった。
 しかし、予定外の出来事が起こり、スケジュール通りにいかなくなると…」

 秋本葉子先生は2007年から約十年間、講談社の「なかよし」等で活躍したホラー漫画家さんです。
 この「悪魔アプリ」は「蜘蛛女」と並ぶ代表作でしょう。
 ストーリーはわかりやすく、同時にきっちり練られていて、少女向けホラーとしてはなかなかの出来だと思います。(ただし、第4話はイマイチ。)
 ちなみに、「悪魔アプリ」以降、秋本葉子先生は目だった活動をしないまま、消えてしまったようです。
 漫画家を辞められたのでしょうか?

2025年7月30日 ページ作成・執筆

講談社・リストに戻る

メインページに戻る