菊川近子「心霊夜」(1988年10月13日第1刷発行)
収録作品
・「心霊夜」(昭和63年発行「週刊少女フレンド9月1日号増刊」)
「高木令子が引っ越した家の近くにある、赤れんがの西洋館。
その西洋館には、同じクラスになった日野原美里の家族が住んでいた。
日野原美里の家庭は少々複雑で、両親とは血がつながっておらず、実際は孤児院からもらわれて来たのであった。
しかし、一年前、美里の母親に圭太という男児が授かってから、母親は美里を邪魔者扱いするようになる。
その頃から、母親の身辺でおかしなことが起こるようになり、彼女の前に赤子を抱いた女性の幽霊がたびたび現れる。
そして、公園で出会った老婆の予言通りに、圭太が突然死する。
半狂乱となった母親は美里を犯人呼ばわりするが、美里も圭太の死ぬ夜、圭太が何者かに殺される夢を見ていた。
これを境に、美里の周りでも奇怪な事件が次々と起きるようになる…。
屋敷に現れる、赤子を抱く女性の幽霊の正体とは…?」
・「額の中の風景」(昭和62年発行「ハローフレンド6月号」)
「両親を亡くし、バイトをしながら夜間高校へ通う美鈴。
ある日、彼女のもとに、存在を知らなかった祖母から、数十億円の遺産が転がり込む。
その遺産を相続する条件として、屋敷に住み込み、管理するという条件があった。
屋敷には、祖母に仕えていたメイドの奥村が住み込みで務めていた。
奥村が言うには、祖母は美鈴のことをひどく恨んでいたらしい。
祖母の怨念のもたらす業か、階段を上がったところにある、祖母の墓の絵が、美鈴が目にする度に変化していく。
絵の中で、棺が地中から露出し、その中から祖母が出てきて、そして…」
モンターギュ・ローズ・ジェームズ(英/1862〜1936)の古典的名編「銅版画」(注1)にインスパイアされた作品だと思います。
ちなみに、このマンガ、昔、読んだような記憶があり、懐かしかったです。
・「黒猫の儀式」(昭和62年発行「ハローフレンド12月号」)
粗筋を書こうかと思いましたが、やめました。
いばら美喜先生の「くろねこ」を丸パクリしております。
単行本の作品を50ページぐらいの短編にまとめてますので、サクッと読める点はいいのですが、「盗作」と言われても、否定できないレベルです。
設定は借りたとしても、ストーリーぐらいは独自にアレンジして欲しかったものです。
・注1
「M・R・ジェームズ傑作集(紀田順一郎・訳)」(創元推理文庫/1978年3月24日初版・1988年5月6日5版)収録。
・備考
持ち主の子供が読みまくっていたのか、よれよれ。袖をテープで貼り付けた痕あり。巻末の単行本紹介のタイトルの漢字にルビを振っているのが、微笑ましいです。
2017年2月13・14日 ページ作成・執筆