楳図かずお・花村えい子・おだりつこ「花Q」(220円)



・花村えい子「また会う日まで」(お涙頂戴もの) 「夏夫と由紀は仲良し兄妹。
 夏夫は亡き父親と同じく、陶芸家を志し、由紀は歌手を夢見る。
 だが、母親が過労のために喀血。
 彼女は重い病に身体を侵されており、実家に連絡を取ろうとする。
 しかし、駆け落ちした彼女を実家は許さず、跡取りとなる由紀だけは引き取るという返事であった。
 由紀は知らなかったが、夏夫は前妻の子供であり、母親とは血のつながりはなかったのである。
 ある夜、母親は発作に襲われ、急死。
 夏夫は由紀の幸せを祈りながら、東京へ行く由紀を見送る…」

・おだりつこ「真珠のねがい」(南の島が舞台のロマンス)
「とある南の島。
 原住民のトドと、フランス人男性と原住民女性の混血児、サリーとの間にはすれ違いが続いていた。
 原因は、この島に漂流して来たフランス人の青年、フランク。
 サリーは、父親の出身地で、母親が一度訪れたいと願っていたフランスに、フランクと一緒に渡ることを夢見る。
 一方の、トドは、サリーがフランクに恋をしていると考えていたのであった。
 そして、迎える祭の夜。
 サリーは、トドに片想いをするプチに「魔の崖」に連れて行かれ、崖から突き落とされてしまう…」

・「のろいのふりそで」(もとの発表年は1966年)
「豊臣家ゆかりの人物が住んでいた屋敷に引っ越してきた家族。
 姉妹が家を探索していると、蔵の中で振袖を見つける。
 姉が戯れに着て、振り袖姿を鏡に映してみると、自分の左目のあたりが醜く爛れていた。
 不思議なことに、そう見えるのは姉だけであった。
 以来、姉の様子はおかしくなり、決して振袖を脱ごうとしなくなる。
 更に、左の額から左目にかけて爛れが広がっていく。
 奇異に感じた妹が蔵を改めて探すと、昔の日記が見つかる。
 その日記には、月姫と羽奈姫との確執について記されていた…」
 「百本めの針」(秋田書店)にて、セリフを訂正(主に、平仮名を漢字になおす)されて、再録されております。

・備考
 ビニールカバー剥がし痕あり、特に裏表紙がひどし。カバー貼り付け。

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