古賀新一「ばけ猫の呪い」(1970年8月31日発行)



 収録作品

・「ばけ猫の呪い」(1968年「小学六年生」六月号付録「ばけネコののろい」を改題)
「由起と喜代の姉妹の住む家の裏山にある、ほら穴。
 そのほら穴では、その昔、地獄絵師が呪いの絵を描くために、多くの猫をいたぶり抜いては殺したと言い伝えられていた。
 由起が止めるのを聞かず、おてんばな喜代は面白半分でそのほら穴に入る。
 二人は奥で数匹の猫を目撃するが、以来、喜代の様子がおかしい。
 無意識のうちに不気味な絵を描き、猫にひどく怯えるようになる。
 更に、階段から転落して怪我をしてから、ますます奇行がひどくなり、ネズミを生きたまま食べるようになる。
 だが、暖炉で大火傷を負い、喜代は死亡。
 喜代はこと切れる寸前、由起の腕に噛みつく。
 怪我はなかなか良くならず、由起は病院に向かうが、噛まれた腕が猫のように変わっていた。
 ばけ猫の呪いは、喜代だけにとどまらず、由起にまで波及する…」

・「呪いのへび教室」(1968年「りぼん」新年特大号付録の「のろいのへび教室」を改題)
「美加は友人達とバレーボールをしている時、ボールにまとわりついていた白蛇を殺してしまう。
 翌日、美加が学校へ行くと、人気がなく、異様な雰囲気。
 どの教室も空っぽで美加は早く来過ぎたことと訝るが、美加の教室には皆、集まっていた。
 しかし、クラスメート達は揃いも揃って居眠りをしている。
 友人を起こすものの、彼女達は美加のことを知らず、どんよりとした目付きでねめつける。
 あくびをした女子生徒の口は裂け、他の女子生徒の腕はうろこで覆われ、掻くとうろこがぼろぼろと剥げ落ちる。
 先生を呼びに美加は教室をとび出すが…」
 下手な説明は無用!! ヘビづくしです!!
 古賀新一先生の、典型的な「へび」ものです。
 それにしても、当時から、学校でも怪談の舞台になるのは「理科室」と「音楽室」だったんですね。
 「呪いのへび教室」(大陸書房)に再録されております。

・「生きている人形」
「雪の多い、東北のある町。
 庭の雪だまりの中から、まゆみとひとみの姉妹が見つけたのは、片目が潰れた人形であった。
 翌日、その人形を抱いて寝たひとみは、人形のように片目が潰れ、人形を離さなくなる。
 熱さを極端に恐れ、雪の降った日、ひとみは人形とともに行方不明になる。
 下校途中、まゆみは雪の中から、ひとみの持っていた人形を発見し、家に持ち帰る。
 すると、人形と同じく、雪に覆われた姿をしたひとみが家を訪ね、人形を奪い返そうとするのだった…」
 このマンガを読んでたら、顔の焼けただれた人形の描写がありまして、ふっと過去の記憶が蘇えりました。
 小学校低学年の頃でしょうか、確か「あなたの知らない世界」のエピソードであったと思います。
 はっきりと覚えてないので、ほとんど憶測ですが、婆様と母親によって虐待死した少女の人形が復讐すると言う話でした。
 この人形が火鉢に一度捨てられたため、顔が焼け焦げておりまして、見た目からして凶悪。
 この人形に襲われ、驚いた婆様は火鉢をひっくり返して、死亡(?)。
 母親は人形に追い詰められ、海に面する崖から転落死…というような内容だったように記憶しております。(細かいところは全く覚えておりません。)
 この人形はただコトコトコトコトゆっくり進みながら、どこまでも追ってくるだけなのですが、その描写が、子供心に、そりゃ、もう、あ〜た、メチャクチャ怖くて、怖くて、怖くて、たまりませんでした。
 今、これを書きながら、どんよりしております。

・備考
 状態悪し。貸本。使用感あり。ビニールカバー貼り付け。水濡れによる本体歪み(ベコべコ)。

2016年5月18日 ページ作成・執筆
2016年10月6日 加筆訂正
2017年2月12日 加筆訂正

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