西たけろう「幽霊学園」(1974年12月20日発行)

「桜花学園。
 転校生の南亜矢は、隣席の中川美子と親友になる。
 ある日の放課後、美子は、人と会う約束があると亜矢と別れたきり、行方がわからなくなり、翌朝、旧校舎裏の古井戸で遺体となって発見される。
 その日、美子は、演劇部部長で学園長の娘の上月(こうづき)に、文化祭の劇への出演の件で呼び出されていたのだが、演劇部には姿を現さず、最後に誰と会ったかはわからずじまいであった。
 以来、演劇部員が美子の幽霊を見たり、亜矢の持っている美子の写真に髪が巻き付いたりと、奇怪な出来事が次々と起こる。
 そして、ある雨の日、演劇部が劇の練習をしていた時、ポルターガイスト現象が起こり、部員の橘千夏がカーテンに包まれ、大けがを負う。
 一方、亜矢の担任の牧は、学園に幽霊が出るとの噂を聞き、学園の過去について調べていた。
 この学園の恐るべき秘密とは…?
 そして、美子の死の真相とは…?」

 西たけろう先生による「オカルト・ミステリー」です。
 ストーリーのもとになったのは、凄惨な「寿産院事件」なのでしょうか?
 小粒ながら、よくまとまった作品で、オカルト漫画にありがちな、かったるい解説もなく、個人的には良作だと思います。
 また、西たけろう風の美少女が堪能できる点も見逃せません。(多少、ぎこちないところが魅力です。)
 ちなみに、一番怖いのは、髪の毛の伸びる人形の絵で、山岸凉子先生の「汐の声」とためを張る不気味さです。(あんな人形、さっさと処分すりゃいいのに…。)
 地味ながらも、わかりやすい内容で、人気があったのか、後に、ヒバリ・ヒット・コミックスでも刊行されております。

・備考
 前の袖にテープ。

2020年5月15日 ページ作成・執筆
2020年12月17日 加筆訂正

ヒバリ黒枠・リストに戻る

メインページに戻る