さがみゆき「怪談かさねが淵」(1972年2月20日発行)

「養女である千賀子は、その美貌と優れた資質によって、花川流の家元を継ぐと目されていた。
 また、今の家元の息子の明夫との婚約も決まり、襲名披露さえ乗り越えれば、幸せを掴む目前であった。
 襲名披露の際の題目は「道成寺」。千賀子は清姫になりきるべく稽古に励む。
 が、おもしろくないのは、実子のみどりと加代。
 みどりは明夫と家元を手に入れるために、千賀子をノイローゼに追い込もうと企む。
 実は、千加子は「特異体質」で、強精剤として飲んでいた「まむしドリンク」に過剰反応し、自分が蛇に変身するという悪夢に悩まされていた。
 それに目をつけたみどりは、まむしドリンクの量を多くし、また、「うろこ風呂」(名シーンです!!)のギミックを使うなどして、遂にみどりを精神病院送りにする。
 とどめを刺すかのように、みどりは精神病院の医者に多額の金を渡し、千賀子は密室に蛇とともに閉じ込められるのであった。
 しかし、ある嵐の夜、度重なるショックのために、千賀子は蛇女と化す。
 医者と看護婦を殺害し、精神病院の火事に乗じて、千賀子は脱走する。
 一方、明夫は千賀子から心が離れ、みどりと急接近。  夏祭の日、みどりと明夫が、かさねが淵で逢引をしていると、火事で死んだと思われた千賀子が現れる。
 火傷のために更に醜くなった千賀子は、明夫に真実を明かし、みどりに襲いかかる。
 だが、明夫はみどりに加勢し、千賀子を棒切れで殴打、明夫とみどりは瀕死の千賀子をかさねが淵に沈める。
 千賀子は最期の力を振り絞って、呪いの言葉を残すが、その言葉通り、千賀子の呪いが花川流の人々に襲いかかる…」

 貸本からの再録ですが、約40ページ、加筆されております。詳細は以下の通り。
「pp18〜23、pp114〜118(描き足したため、p119に続くコマの流れがおかしくなってます)、pp134〜138(貸本のp123は削除)、pp148〜153(貸本のp134は削除)、pp159〜162、pp168〜172(貸本のp145は削除)、pp174〜178(貸本のp147は削除、p148は一部のみ流用)、p179の下コマのイラストは加筆されたも)、p180、p181(上コマのイラストは貸本からの流用で後は加筆されたもの)、pp180〜184、p185(上と中コマのイラストは貸本からの流用で後は加筆されたもの)、pp186(上コマのイラストは貸本からの流用で後は描きなおされたもの)、p187、p189、pp190(上と中コマのイラストは貸本からの流用で後は加筆)、p191」
 ちなみに、この黒枠版のジャケット、ヒバリ・ヒット・コミックスでは、「蛇女のたたり」(aka「蛇女の呪い沼」)に流用されておりますが、中身は別のマンガです。
 ややこしい話であります。

2015年12月21日 ページ作成・執筆
2017年6月24日 加筆訂正

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