杉戸光史「白へびの墓」(1972年4月20日発行)

「夏休み、タケシとマキの兄妹は、いとこのめぐみの家へ向かう。
 途中、天女ガ原(あまがはら)という場所で、二人は奇妙な石碑を目にする。
 タケシがそれを調べようとした時、年老いた和尚から注意を受ける。
 その石碑は「白蛇様」を祀る「蛇塚」で、手を出すと、祟りを受けるらしい。
 後で、めぐみに聞いたところ、この地方には、白蛇にまつわる、恐ろしい伝説があった。
 四百年ほど前、次郎という青年が、白蛇の化身の娘、妙織に魅入られる。
 憑りつかれた次郎は夜な夜な妙織と逢瀬を重ねるうちに、どんどん憔悴していき、奇行が多くなる。
 それを知った家族は、占い師の老婆の助言のもと、妙織に松ヤニ等を溶かした液体をぶっかけ、壷に封じ込めると、その上に塚を築いたのであった。
 タケシは伝説を迷信と笑いとばし、翌朝、塚へと向かう。
 夜中に塚は落雷で砕けており、その下に奇妙な壷が見える。
 封印を剥がしたタケシは、案の定、白蛇に憑りつかれ、精気をどんどん奪われていく。
 マキ、めぐみ、妙覚寺の和尚は、タケシを救おうと、策を練るのだが…」

 相変わらずの「杉戸・節」が光る一作です。
 この作品に関しては、他の作品のように「妖怪現る→逃げる→妖怪現る→逃げる→(繰り返し)」のパターンにおちいっていないので、そこは安心できます。
 ただし、ラストの白蛇退治の秘策は、どう転んでも、納得できないな…。

 ヒバリ・ヒット・コミックスにて、「白へび娘の墓」と改題されて、再刊されております。

・備考
 カバー欠。全体的によれ。割れ気味。

2020年9月1・2日 ページ作成・執筆

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