森由岐子「A型血液の少女」(1984年6月15日第1刷・1986年7月15日第4刷発行)

「那智あゆみ(A型)は、乙羽バレエ団の花形として、売り出し中の娘。
 ある日、彼女は、些細な間違いから、デパートで万引き犯人として捕まってしまう。
 偶然、その場に居合わせたライバル、十和田由紀の口添えもあり、初犯ということで許してもらえる。
 しかし、プライドの高いあゆみにとって、この事件は耐えがたいことであった。
 由紀は、この件であゆみをゆすり、次回公演の「火の鳥」のプリマ(主役)を手に入れる。
 もちろん、それだけで終わるはずがなく、あゆみと親しくしていた母高良をあきらめさせ、彼を自分の恋人とする。
 だが、その頃から、由紀の周辺では奇怪な男が出没し、脅迫電話が深夜にかかってくるようになる。
 一方のあゆみは、由紀と良の仲を見て、失意に沈んでいたが、次回公演の「ジゼル」のプリマに抜擢される。
 これで憧れの良と共演できるのかと思いきや、由紀は万引き事件をちらつかせて、あゆみに辞退させる。
 あゆみの由紀への憎しみは限界に達しており、遂に破局を迎えることとなる。
 そして、「ジゼル」公演の日…プリマを踊るのは誰…?」

 唐沢俊一&ソルボンヌK子「森由岐子の世界」(白夜書房)にて紹介された作品です。

 個人的には、森先生の立風書房での作品の中で一番面白いと思ってますが、その魅力は上記の本にて完璧に解説されておりますので、割愛いたします。
 それにしても、森先生の作品でバレエを扱ったものはかなり珍しいのではないでしょうか。
 少女漫画家らしくバレエ・シーンはそれなりに見栄えはするものの、ラストの「くる くる」はやっぱ、ないよなあ…。

2019年3月14日 ページ作成・執筆

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