Ryuki・作画/宮月新・原作「シグナル100零」(2020年1月24日第1刷発行)

・「第1話」
「春。ある大学の入学式。
 霜月春哉の顔色は浮かなかった。
 彼は兄(霜月秋成)を追って、この大学に進学したものの、兄は三か月前、謎の失踪を遂げる。
 入学式の後、彼は兄が暮らしていた第3学生寮に向かう。
 ここは少人数制の寮で、兄の恋人である峰岸ゆゆが寮母をしていた。
 兄の部屋や心理学研究室を訪ねてみるが、兄に関する手掛かりはない。
 その晩、寮で彼の歓迎パーティが開かれる。
(参加者は以下の通り。
 法学部三年の徳永怜〜眼鏡の似あう知性派。
 教育学部四年の須藤太一〜ガタイの良い肉体派。
 二年の水無瀬薫〜童顔の人懐っこい青年。
 二年の樹敬〜陰気なオカッパ・キャラ。
 大学院一年生の大迫禅司〜意外とキツい。粗暴な面あり。
 浜崎〜真っ先に死んでしまうキャラなので、詳しい説明なし。)
 その席で浜崎という先輩が彼に何かを訴えようとするが、彼は突如、ナイフを自分の首に突き立てる。
 一大事なのに、参加者は皆、うなだれて、その場から動こうとはしない。
 ゆゆに言われ、春哉はホテルに泊まり、翌朝、寮に行くのだが…」

・「第2話」
「春哉はゆゆにある部屋で奇怪な映像を見せられる。
 気が付くと、彼を寮の先輩たちが覗き込んでいた。
 彼らは春哉に彼が見せられたのは「シグナル10」であると告げる。
 この「シグナル10」は「10個の自殺合図を脳内に埋め込む催眠ビデオ」であった。
 これは春哉の兄が開発していたもので、寮の先輩たちも三か月前にゆゆから見せられていた。
 自殺合図について全て知っているのはゆゆだけであり、これから春哉も彼女に従わなければならない。
 状況を打破すべく、春哉が研究室の兄のパソコンを調べると、あるファイルを見つける。
 これには「シグナル10」の開発経緯が述べられていたが、これによると、どうやら「解催眠の合図」が存在するらしい…」

・「第3話」
「『解催眠の合図』は「到底実行出来ない怖ろしい事」としかわからなかった。
 春哉はこれは「人を殺すこと」で、ゆゆが兄を殺したと推理する。
 彼はこれを徳永と水無瀬だけに話すが、樹がこれを立ち聞きしていた。
 彼はこれを大迫に告げ口し、寮の裏庭で大迫は徳永に詰め寄る。
 すると、徳永は彼に意外なことを打ち明ける。
 一方、ゆゆは彼女に想いを寄せる須藤に徳永との肉体関係をほのめかし…」

・「第4話」
「疑惑が疑惑を呼び、彼らの間には不信が蔓延する。
 徳永は大迫を危険人物として抹殺しようとし、大迫は地下倉庫に籠城。
 春哉がことの成り行きに呆然としていると、彼に樹が話しかける。
 樹は彼に水無瀬への疑念を焚きつけるが、一方の水無瀬は…」

・「第5話」
「水無瀬は三階でゆゆと会っていた。
 彼は彼女からの誘惑に耐え、協力を拒否する。
 すると、彼女は彼に自殺合図を三つ教えてくれる。
 戸惑いながら、彼が二階に降りると、他の寮生が待ち構えていた。
 彼は誤解を解こうとするが…」

・「第6話」
「最後の最後まで「信頼」を訴えていた水無瀬。
 彼の死により、徳永たちの間にあった信頼関係は完全に瓦解する。
 徳永は峰岸ゆゆとの関係を明かし、他人を皆殺しにして、ゆゆと共に逃げる道を探る。
 樹は彼を止めるために、地下室に監禁されている大迫を自由にするのだが…」

・「第7話」
「徳永と春哉はゆゆの部屋を訪れる。
 そこで二人は解催眠の「真の条件」について知らされる。
 愕然とする春哉に徳永は霜月秋成の真の姿について明かす。
 彼によると、ゆゆは被害者だと言うが、本当は…」

・「第8話」
「春哉はゆゆから秋成の夢を引き継ぐよう誘われる。
 それは「シグナル100」を完成させることであった。
 彼女は自分と一緒に来れば、10個の自殺合図のうち、9個を教えると話す。
 だが、春哉にとってはこのままでは奴隷状態であった。
 彼の決断は…?」

 異色のサバイバル・ホラー「シグナル100」の前日譚にあたるスピンオフ作品です。
 「まんがPark」で公開されたものを再編集しており、映画の公開と共に単行本が発売された模様です。
 恐ろしくドロドロしていて、救いようが微塵もないのはさすが!!
 ただ、主人公はこの件でかなり精神的にタフになったはずなので、その点が「シグナル100」とつながらないような感じが個人的にはしております。

2023年12月19・30日 ページ作成・執筆

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