佐藤よしろう「怪獣ブラック」(220円)
「東ヨーロッパのトランシルバニア地方。
そこには、吸血鬼伝説で有名なドラキュラ城と並び、恐れられているブラック城があった。
ブラック城の三代目当主は怪獣人間と言い伝えられ、村人達は誰も城には近づこうとはしない。
ある夜、一人の男が、ブラック三世の柩を発掘し、怪獣人間の蘇生に成功する。
怪獣人間は(本書に記載はないが、目測したところ)10メートルはあろうかという巨体で、身体中、奇怪なウロコに覆われていた。
男は、怪獣人間を城に閉じ込め、その血(Rhマイナス)を売って、大金を得る。
そして、画家になりすまして、村に住み、ブラック城に近づく者がいないよう見張っていた。
狩りのシーズンの前、グレンライカーという男が村を訪れる。
彼の目的は、去年、行方不明になった妻と娘の遺体を捜すことで、村人達の近づかないブラック城が怪しいと睨む。
一方、彼の娘、メアリーは、怪獣人間によって、城でひそかに保護されていた…」
見るからにB級モンスター然とした怪獣人間を主人公にした話です。(「ウルトラマン」等の影響があるのでしょうか?)
しかし、グロテスクな外見とは対照に、「心優しいモンスター」として描かれ、多勢を相手に大暴れするような描写はありません。
また、ストーリーには若干、弱いところがあり、何故、怪獣人間が蘇生したのか?とか、怪獣人間の血なんか売って大丈夫なのか?とか、気になる所です。
でも、そんな短所はささいなこと。
全編に渡って、怪獣人間の描写があり、怪獣マンガとしては、かなり面白い部類に入るのではないでしょうか?
見所は何と言っても、人間丸かじりのシーン。
アニメ版「進撃の巨人」もでしたが、この手のシーンは(かなりシモの方で)「キュン」ときます。
・備考
ビニールカバー剥がし痕あり(裏がひどい)。後はきれい。
2019年8月12日 ページ作成・執筆