西たけろう「魔女ゴーゴンの墓場」(220円)

「画学生である一条宏は、叔父で地質学者である南博士のお供で、エジプトを訪れる。
 宏と、南博士、博士の娘である南鏡子、助手である黛ミチの四人で砂漠の中の道路をドライブしていると、見知らぬ町が眼前に現れる。
 車で向かうものの、いつまで経っても、町には着かない。
 それもそのはず、町の姿は蜃気楼であった。
 引き返そうとするが、砂嵐に巻き込まれ、道路を見失ってしまう。
 闇雲に車を飛ばすうちに、一行は「死の町」を発見する。
「死の町」とは、古代エジプト人がつくった、墓場だけの町なのであった。
 そこを探索するうちに、鉄の扉を見つけるが、その向こう側から宏は自分を呼ぶ声を聞く。
 無理矢理に鉄のドアを開けて、中に入るが、床が抜け、転落。転落したところで、宏達は流砂に飲まれてしまうのだった。
 宏が気がつくと、四人は見知らぬ部屋のベッドに寝かされていた。
 そこにイエルト様と呼ばれる、金髪の美しい女性が現れる。
 ここはどこなのかと尋ねても、はっきりとした答えは得られず、当分帰ることはできそうにない。
 仕方なく、宏、鏡子、ミチの三人は、町を歩いてみるが、人気が全くなく、静寂が支配していた。
 何かの気配を感じて、宏がその方を見ると、蛇の髪を生やした生首が物陰から三人に向かって近づいてくる。
 驚いて、三人は逃げ出すが、翌日、南博士と助手の黛ミチが行方不明になる。
 宏と鏡子は町中、二人を捜すが、その時、この町が蜃気楼で見た町であることに気付く。
 この墓場のような町の秘密とは…?」

 個人的に、非常に面白かったです。
 時代を考慮に入れたら、傑作なのではないでしょうか?
 とは言え、いまいち釈然としない部分も多々ありますが、それも味のうち、ワケのわからなさが不気味さを醸し出しております。
 第一、外科手術で人間をゴーゴンに作り変えるなんてマンガ、なかなかお目にかかれません。
 また、ゴーゴンとろくろ首(小泉八雲ver)が混ざってるあたりもご愛敬。(注1)
 これは復刻される価値があると思います。

・注1
 ファミコンのゲームの傑作「悪魔城ドラキュラ」で、敵キャラのメデューサが生首で飛んでくる理由が、このマンガを読んでわかりました!!(多分、違う…)
 何はともあれ、「Wicked Child」、名曲です。聴くたびに、血がたぎります。

・備考
 ビニールカバー貼り付け、また、そのためによる表紙の歪み。糸綴じあり。pp1・2、下部に大きなシミあり。p34、恐竜の目に赤いペンで落書き。p60、赤いペンにて、上部にヘンな模様の落書き、下部のコマの女性の顔を赤く塗っている。また、色が裏のp59に染みている。巻末に、貸出票の貼り付け。

平成27年10月15日 ページ作成・執筆

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