西たけろう「助けて!! だれか」(220円)
「父親を交通事故で失い、悲しみと途方に暮れる、野村まゆみ。
母親は大分前に病気で亡くなり、彼女を引き取ろうという親戚もいない…。
そこへ、父親の妹を名乗る野村ルリという女性が、まゆみのもとを訪れる。
叔母はまゆみを引き取り、一か月後、二人で住むための一軒家を購入する。
これが恐ろしく安い買い物だったのだが、しばらくして、隣人の老婆から、その理由を聞かされる。
この家は二か月前に未亡人が住み込みの女中に殺され、犯人の女中はまだ捕まっていないのだと言う。
また、未亡人の金目当てだったようだが、その金はいまだ発見されていなかった。
その女中の容貌等、叔母と共通するものがあり、まゆみはその女中が叔母ではないかという軽い疑いを抱く。
そんなことはないと理性では否定するものの、まゆみがよくよく気を付けてみると、叔母の奇妙な振る舞いが幾つも目につくようになる…」
個人的に、印象の薄い作品です。
変わり者の叔母の性格が伏線になっていると思うのですが、そこのあたりがわかりにくいせいかもしれません。
ただ、「夜中に台所から物音がするので、台所へ行くと、叔母が金槌で缶詰を開けていた。(何故、金槌で開けていたかというと、缶切りがなかったから。ちなみに、缶切りはすぐそこにあったりする。)」という腰砕けなシーンがありまして、「私ってどうしてこうそそっかしいのかしら ホホ…」とごまかし笑いをする叔母に向ける、少女の何とも言い難い表情(p46)が味わい深いです。
・備考
ビニールカバー貼り付け、また、そのためによる表紙の歪み。糸綴じあり。全体的にシミ多し。後ろの遊び紙欠損。巻末に、貸出票を二か所貼り付け(一か所は「ミイラ少女」の予告イラストの上)。
平成27年10月17日 ページ作成・執筆