杉戸光史「怪談鬼火天女」(220円)
「(「怪談天女の沼」からの続き)
殺人現場となった、鍾乳洞の奥で、勇治が目にした鎧武者姿の男。
それは、勇治の父親が死蝋化したものであった。
彼は、天女像とそっくりな娘から、彼の父親について、また、十六年前の惨劇について聞かされる。
ショックを受けた勇治を、娘は「生命の秘密」を教えると言って、連れて行こうとするが、勇治は死体を残したままにすることに躊躇を覚える。
すると、突如、天井が崩れ、落石が彼の頭を直撃し、意識不明となる。
四日後、意識を回復するも、殺人容疑をかけられ、村人達の彼への憎悪は極限にまで達していた。
彼は、自分の潔白を証明するため、真犯人を見つけようとする。
しかし、第三の殺人が起き、またもや、彼に疑いがかかる。
美弥の誘拐に、隠された天女の財宝が絡み、物語はクライマックスへ…」
一応の謎は解明されますが、どこかスッキリしない感じです。
恐らく、財産を巡って起きる殺人事件と、天女と転生した恋人の物語がイマイチかみ合っていないせいだと思います。
とは言え、大きな矛盾はありませんし、「八つ墓村」のようなシーン(そこまで派手でないです…)もあったりして、それなりに楽しめました。
・備考
ビニールカバー剥がし痕あり。また、カバー貼り付け、かつ、カバーに裂け、切り取りといった痛みあり。糸綴じあり。前後の見開きに裂けあり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。
2020年9月30日 ページ作成・執筆