佐藤よしろう「恐怖の叫び」(220円)

「郊外にある医学研究所。
 高木はミクロ液の研究に没頭していた。
 ミクロ液とはソ連で発見されたもので、腐敗した蜥蜴の蛋白質から生ずる化合物から抽出したものである。(実は、よくわからない代物です。)
 高田のつくり出したものは非常に強力で、精神異常者を正常にし、その逆も可能という作用があった。
 高木は、所長にも、同僚の寺田にも研究内容を秘密にして、動物実験を繰り返す。
 飼い犬が突如として狂犬になったことから、所長は高木に疑惑を抱き、彼の研究書類を盗み出す。
 憤った高木は、リンパ液を人体で実験することを決意。
 その夜、所長が何者かに扼殺される。
 犯人がわからず、一週間が過ぎた頃、寺田は薬草採集のために、M県のある寺に宿泊していた。
 彼は入浴した際に、右の一の腕に大きな腫れを発見する。
 痛くも痒くもないが、いつできたのかさっぱり覚えがない。
 一方、所長の娘は、父親の書斎で、高木の研究書類を発見。
 高木を振り切り、車で寺田のもとに向かうのだが…。
 ミクロ液の次の犠牲者は誰…?」

 発想は面白いと思うのですが、マンガとしてはあと一歩…です。
 私が読んだ限りでは、佐藤よしろう先生の作品にはどれも「練り込み不足」な印象があります。
 でも、本作品は、残酷描写はそれなりに頑張ってますし、ラストの対決もそれなりに面白いように思います。
 ただ、所長を殺害するシーンや変身するシーンで幾つか引っかかる点があり、評価に関してはちと辛口にならざるを得ません。
 それにしても、表紙の「きよふのさけび」の誤植は何とかならなかったのでしょうか…。

・備考
 ビニールカバー貼り付け。前後の遊び紙、表紙に貼り付き。

2017年8月31日 ページ作成・執筆
 

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