西たけろう「どくろの奇蹟」(220円)
「貧しい音楽家、北見竜一。
彼の前に奇妙な男がたびたび現れる。
その男は竜一が「同じ種族の人間」であると話し、彼がいるところでは二次元の絵が三次元のように動き出す。
男から逃げ出した竜一が自室でピアノに向かうと、見知らぬ楽譜が置いてある。
試しに弾いてみると、誰かが音楽に合わせて歌っている。
すると、また例の男が現れ、この曲は竜一が作曲したものと教える。
そして、竜一は二千年先の未来から来ており、未来へ帰るよう促す。
気を失った彼が目を覚ますと、そこは吹雪の真っ只中であった。
彼は少女に命を救われ、少女は彼を「アラン」と呼ぶ。
少女によると、未来では科学戦争により全ての文明が失われ、人類は「魂の世界」すなわち「二次元の世界」に逃げ込んだのだと言う。
ただ、アラン、もしくは、竜一は、過去の世界である二十世紀に行ってしまい、全ての記憶を失ってしまったのであった。
そして、彼が未来世界に呼び戻されたのは、「マップ」のためであった。
「マップ」はもとは同じ人類だったものの、この世界に入って変異を起こし、人を食料とするようになった猿族であった。
彼は「マップ」と対決するのだが…」
かなりわかりにくい内容です。
「魂の世界」にいるのに、食料にされるというのがまず理解しがたいですし、謎の男の正体やマップの退治方法も、そして、肝心のラストも釈然としないことばかりです。
そして、タイトルの「どくろの奇蹟」が結局、どういうことなのか、よくわかりませんでした…。
個人的には、ストーリーよりも、映画の影響が窺えたことの方が興味深かったです。
恐らく、「猿の惑星」(1968年)と「タイム・マシン」(1960年/ジョージ・パル監督)の影響をもろに受けていると思います。
「マップ」なんて「猿の惑星」そのまんまだなあ〜。
・備考
ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。p100より水濡れの痕あり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。
2019年1月11日 ページ作成・執筆