しきはるみ「お化け番外地」(220円)



・「お化けの季節」
 お化けなんか怖がらない、近頃の子供達(正夫、花子、吾郎、長太)。
 彼らは、お化けと友達になろうと墓地を訪れ、いろんなお化けに出会うのだが…。
・「悪いやつはやっつけろ」
 墓場で気絶した正夫達はあの世へと連れて来られる。
 そこで、お化けの子供達(一つ目小僧、のっぺらぼう、ろくろ首の少女)から友達になりたいとの申し出を受ける。
 正夫達は快諾し、お化けの子供達から他のお化け(お岩さん、お菊さん、唐傘お化けのカサ夫)を紹介される。
 彼らがあの世から下界に戻ると、二人組のチンピラが若い女性に乱暴しようとしているところであった…。
・「にせもの現る」
 夜、人を脅かしては金品を奪う「お化けのおいはぎ」がニュースとなる。
 正夫達はお化け達を問い詰めるが、彼らには身に覚えがないことであった。
 濡れ衣を晴らすため、お化け達は真犯人を探し始める…。
・「親善試合」
 人間チームとお化けチームの野球の親善試合。
 さて、どんな好プレー、珍プレーがとび出すのやら…。

・「おばけ屋敷」
 お化け達は、人間世界のお化け屋敷に興味津々。
 忍び込んだ彼らが巻き起こす珍騒動とは…。

 「ゲゲゲの鬼太郎」、もしくは、映画「妖怪百物語」の影響下に、お化けと子供達との交流をユーモラスに描いた作品です。
 しきはるみ先生のユーモア漫画(ギャグ漫画というほどではない)は実に「ほのぼの」しており、一つ目小僧、のっぺらぼうといった垢抜けないお化けと相まって、味わい深いです。
 ただし、水木しげる先生と違い、お化けに対する思慕や理解があるわけではなく、安直な扱いをしていることは否めません。
 そのことが残念ながら、作品を陳腐なものにしていると思います。

・備考
 状態、非常に悪し。ビニールカバー貼り付け。タイトル表紙、欠損。糸綴じあり。非常にボロく、欠損、裂け、汚れ、シミ多数。pp9・10、pp17・18、pp45・46、pp61〜66、コマにかかる欠損。pp13・14、大きな裂け。巻末に貸出票の剥がし痕あり。

2018年8月23日 ページ作成・執筆

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