いばら美喜「まっぴら御免」(220円)



「アフリカ、リオムニの港町。
 紅達矢はそこで二か月後に寄港する黒潮丸を待っていた。
 ある晩方、達矢は海岸で、クレーグとシェリーというカップルの会話を耳にする。
 クレーグはシェリーに、彼女の父が開発したペトロポンを売れば、大金になるとしきりに持ち掛けていた。
 渋るシェリーにクレーグは不機嫌になり、ふとしたはずみから彼女は母の形見の指輪を紛失してしまう。
 達矢も指輪探しに加わるが、クレーグとシェリーはペトロポンの取引のために、あっさり指輪をあきらめて立ち去る。
 指輪を見つけた達矢がシェリーの家に向かうと、そこには銃撃されて瀕死の、シェリーの父親がいた。
 達矢が銃撃犯達の後を追うと、ボイル宮殿跡へ辿り着く。
 そこは、アフリカを荒らしまくっている強盗団、ポロー団の隠れ家であった。
 宮殿跡に潜り込んだ達矢はペトロポンの正体を知る。
 ペトロポンはガラス玉に入った液体だが、衝撃を与えると気化し、その気体はあらゆる生物を蒸発させるのであった。
 達矢はクレーグとシェリーに逃げるよう勧めるが、金に目が眩んだクレーグはペトロポンの人体実験されて蒸発。
 ペトロポンの威力を知った、ポロー団の首領は、これをある国の軍人へと売り込もうとして、その際に、シェリーも実験材料にされて消滅する。
 シェリーの復讐のため、達矢はポロー団を壊滅させるべく乗り出すのだった…」

 とにもかくにも、ペトロポン!!
 この奇想天外なアイテムの魅力に尽きます。
 かつ、人間が蒸発する描写もばっちり見せ、見掛け倒しなところはありません。
 白眉は、金髪碧眼の美女がペトロポンの餌食となるシーンでしょう。(p86では、目を見開いており、更にイヤです。)
 このシーンだけでも、個人的に傑作に認定してしまいます。

 あと、ラストはお色気の入ったギャグです。
 実は、ギャグに見せかけた、読者サービスだったとか?

・備考
 ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。小口研磨により、本体のサイズが一回り小さい。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。

2018年4月30日 ページ作成・執筆

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