池川伸治「可愛い殺人鬼」(230円/1968年9月10日完成)



「戸川家の人々は、建設会社の社長である忠実とその妻、正枝。そして、節子と正子の姉妹。
 また、邸には婆やと運転手の五郎が住み込みで働いていた。
 ある日、正枝が後頭部をナイフで刺されて殺される。
 警察は空き巣の仕業と断定するが、証拠が少なく、事件は迷宮入りしそうであった。
 その次に、正枝の墓参りに行った婆やが背中を短刀で刺されて殺害される。
 婆やが殺された日、節子は正子の部屋で赤い液体のついた服を見つける。
 正子は、インクが付いたと言い張って、庭で服を燃やし、節子は不審に思う。
 以後、節子は正子の様子がおかしいことに気づくようになる。
 実際、彼女の周囲では奇妙なことが幾つか起こっていた。
 ある日、節子が正子の後をつけると、正子は友人のアコの家を訪ねる。
 正子はすぐに家を出ていくが、節子がアコの家を覗くと、アコの毒殺死体があった。
 節子は正子が殺人鬼だと疑うようになるが、彼女にも正子の魔手が伸びる。
 正子が殺人鬼となった理由とは…?」

 タイトル通りに、少女が人殺しをする話で、「聖ロザリンド」よりも早いですが、面白みには乏しいと思います。
 少女が殺人鬼になった理由が納得できるようなできないような…。
 個人的には、作中、突然に挿入される、勘崎順次氏の一コマ・イラストの方がインパクトがありました。
 フレッシュマンらしく、実に張り切ってます。

・備考
 ビニールカバー貼り付け。本体歪み。前後の見返し、くっついている。見返しのそばのページ、綴じ外れ。

2022年6月19日 ページ作成・執筆

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