いばら美喜「忍び一代」(220円)

「徳川が天下を取って後、服部半蔵配下の伊賀忍者を除き、組織をバックに持たぬ忍者は必要とされなくなった。
 六十年もの間、忍者生活を続けた老忍者、丈助も農民に転向し、畑仕事の日々を送る。
 しかし、丈助の息子である源太郎は、農民よりも侍に憧れていた。
 そんな折、その地に天馬組が現れる。
 天馬組は、天馬大八を首領とする、凄まじい剣技を持つ、五人の武芸者の集まりであり、武勇で名高い藩に武芸試合を申し込んでは、その藩の指南役や武芸の達人を一撃の下に葬り去っていた。
 源太郎は、許嫁の真弓と共に、その武芸試合を覗き見するが、その卓越した剣技に、源太郎は息を飲む。
 試合の後、源太郎は天馬組に挑戦し、父親に無礼を働いた槍使いをかろうじてやっつける。
 だが、次に相手になった天馬大八には全く手も足も出ない。
 しかし、天馬大八は源太郎を殺さず、天馬組の仲間に加える。
 天馬組の狙いは、将軍家柳生但馬を破り、日本一の武芸者としての栄誉と地位を得ることであった。
 天馬組に入れば、武士になれると、源太郎は有頂天になる。
 父親の丈助の許しを得て、真弓に一年後に迎えに来ると約束し、源太郎は旅立つ。
 しかし、天馬組が次に向かった藩では、武芸試合以前に天馬組を倒すべく、様々な罠が張り巡らされていた…」

 「下忍伝」と同じく、怪奇マンガとは言い難いのですが、まあ、忍者ものも一種の「ファンタジー」だと言えなくもないので、載せました。
 東京トップ社に描かれた、いばら美喜先生の忍者マンガの中では一番、影が薄いように感じます。(でも、面白いです。)
 他の作品と較べると、流血描写が控えめで、一応はハッピーエンドだからでしょうか。

・備考
 ビニールカバー貼り付け、また、それによる本体の歪みあり。背表紙下部痛み。後ろの遊び紙に貸出票の貼り付けあり。

2016年8月26日 ページ作成・執筆

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