西たけろう「聖少女の裂けた顔」(220円)

「秋、流星のあった夜の翌日。
 画家の卵の一条宏と、シナリオライターである彼の姉、一条アキ子は、公園で美しい少女に出会う。
 何も言わぬ少女は二人の部屋まで付いて来てしまい、宏とアキ子は少女のあまりに突飛な行動に目を丸くするばかり。
 その時、二人の部屋を訪れた医師の左は、この不思議な少女に興味を持ち、自身が教育することに決める。
 数十日後、言葉を覚え、宏とアキ子にもすっかり馴染んだ少女に、アキ子は「白丘奈津江」という名前を提案する。
 子供のように言葉を覚えたばかりの奈津江は、「人間」とは何か?という疑問を持つ。
 皆と話し合う中で、「人間」にとって「美・愛情・真実」が大切であると、奈津江は教えられる。
 しかし、ある晩、四人でレストランで食事をしていた時、女優の黛ミチと出会って、奈津江の運命は一変。
 黛ミチがアメリカ映画に出演する半年の間、奈津美を代役に最適と考えたのだ。
 奈津美は監督に気に入られ、瞬く間にトップスターへの階段に駆け上がる。
 だが、スターとしての生活は、奈津江が考える「幸せ」とはかけ離れたものであった。
 ある日、黛ミチがアメリカから帰国する。
 だが、彼女は事故で顔に傷を負い、彼女の場所は完全に奈津美に奪われていた。
 黛ミチは、奈津美を陥れるため、宏と、婚約者の牧と共に、ある罠を仕掛ける…」

 「人形娘」(貸本/東京漫画出版社)のセルフ・リメイクであります。
 恐らく、「マーガレット」に「星からきた少女」のタイトルで連載されたもので、りぼんカラーシリーズ(付録)の一冊として出されております。(注2)
 単行本化される際に、もっと派手な「聖少女の裂けた顔」に改題されたと推測しておりますが、全くストーリーと関係がないタイトルだなぁ…。
 ちなみに、キャラは「幽霊と宇宙人」(注1)に出てくる少女と一緒です。
 このキャラにはモデルがあるのでしょうか?
 非常に独特な瞳をしております。

・注1
 唐沢俊一・監修「まんがの逆襲」(福武書店/1993年11月10日第1刷発行、12月10日第2刷発行)にて復刻。

・注2  東京トップ社で単行本化する際に、変更があります。(一応、気付いたものを挙げておりますが、見落としがあるかもしれません。)
 平仮名から漢字への変更。
「星からの少女」p6(隕石落下の描写)、p39(新聞記事)、p41(アキ子が宏の絵を探すシーン)、p117(回想で、左が裁判所で無罪を主張するシーン)、p127(あとがき)削除。
「聖少女〜」p9・22・37・38・40・42・50・65・75・79・90・91・92・95・108・113・、セリフの一部が変更。
「聖少女〜」p12・29、セリフ変更の際に多分、誤植。
「聖少女〜」pp12・69・85・117、手書きの擬音やセリフを写植の文字に変更。
「星からの少女」最終ページ(p126)の上のコマが省かれ、文章が一コマにまとめられている。

・備考
 カバー貼り付け。前の遊び紙、上部に小さな欠損あり。前の遊び紙、p2、p6、鉛筆による落書きあり(コマには大してかからず)。本文中に目立つ小シミ、多くあり。p12、小さな食べ物のカスが挟まって、シミになっている。巻末に貸出票貼り付け。

2015年10月11日 ページ作成・執筆
2018年4月29日 加筆訂正
2020年1月27・28日 加筆訂正

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