西たけろう「60才の黒猫」(220円)



「夏休み。
 ルミ子は、亡き父親の実家のある甲賀の里を訪れる。
 山の中の屋敷には、父親の兄の恭二、祖母、使用人の左、そして、ルミ子と同年代の少女、みすずが住んでいた。
 みすずはクロという名の黒猫を飼っていたが、この猫は60才だと言う。
 この猫は祖母が若い頃、熱病で死にかけた時、どこからか持ってきた薬草で、彼女の命を救ってくれたのであった。
 翌日、ルミ子は、みすずと左の案内で、琵琶湖に行く。
 双眼鏡で景色を見ていると、部落のようなものが目に入る。
 この部落には慎二という青年が住んでいて、どうやら忍者の子孫らしい。(詳しいことは不明)
 左は「えった」と呼んで、忌み嫌うが、彼はみすずと恋仲であった。
 その夜、祖母が急病で倒れる。
 翌朝、クロがどこかに出かけるのを目にして、ルミ子はその後をつける。
 突如、クロは姿を消すが、そこは断崖絶壁になっていた。
 崖の下に、花が咲いていて、ルミ子はこれが薬草だと思って、取るのだが…。
 この薬草が彼女の人生を大きく変えることになる…」

 正直なところ、まとまりの悪い作品です。
 多分、甲賀が舞台ということで忍者(?)が出ているせいでしょう。(忍者って被差別民になるのかな?)
 また、ヒロインが殺人を犯す動機も弱いように感じます。
 あと、ラストは「ヒッチコック劇場」の名エピソード「生と死の間」と一緒です。
 あかつきただし(aka 木村仁)先生「わたしの影がない」にも借用されていたので、「生と死の間」はいろんなところに影響を与えている模様です。

・備考
 ビニールカバー貼り付け。前後の見開きのノド、紙テープで補強。読み癖あり。後ろの見開きに貸出票の貼り付けと書き込み。

2022年8月14日 ページ作成・執筆

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