「怪談・96」(220円)
収録作品
・いばら美喜「おじいさんの木」
「元・ヤクザだった青年。
彼は今は工員で生計を立て、下宿屋の娘とも親しくなった。
ある日、仕事からの帰り、娘が街角の木を「おじいさんの木」と彼に教える。
この木は、娘のおじいさんに変調が起こるたびに、枯れていくと言う。
下宿した青年は、とある用件で呼び出されるが、それはヤクザのボスの陰謀だった…」
「オール怪談・37」からの再録。
・杉戸光史「首」
「病死した一人息子を、首だけで生かすことに成功した科学者。
彼は、息子の身体のために、同じ年恰好の少年と姉を誘拐。
しかし、彼が帰宅した時、そこにはマフィアの一味がいた。
彼らは、脱獄に失敗して瀕死の重傷を負ったボスを運び込み、ボスの首を健康な身体に付け替えるよう科学者を脅迫。
しかし、彼らが誘拐してきた、若い男性には秘密があった…」
メチャクチャなSF怪奇マンガです。
長編だったらグダグダでしょうが、短編故に、勢いがあって、一気に読ませます。
意外と面白いかも。
杉戸光史「血にまみれた雪女」(ひばり書房黒枠)に収録。
・小島剛夕「黒百合城」
「戦国時代。
信州の山奥深くに、城を構える豪将早倉景之。
その忠実な家臣の鷹ノ巣弾正は 野心家である妻にそそのかされ、主君を暗殺、城主となる。
しかし、徳川側であったのに武田に与し、それがもとで破滅。
弾正は、死を怯えて、取り乱す妻を斬殺した後、自害。
弾正の娘、百合は助け出されて、暗殺された早倉景之の息子、和子と兄妹として育てられる。
いつかは夫婦となるはずだった二人だが、百合には、亡き母親の怨念が血にまで染み込んでいたのだった…。」
「怪談別冊 黒百合城」からの再録。カラーの扉絵はそちらのページをどうぞ。
扉絵といばら美喜先生の作品は「オール怪談・37」(ひばり書房)からの再録、小島剛夕先生の作品も再録…パッチワークみたいになっております。
不況だったのでしょうか?…そうなんでしょうね…。
・備考
カバーに剥げ等の痛み、またビニールカバーを剥がした痕あり。経年の汚れやシミはあれど、まあまあの状態。
2014年11月20日 ページ作成・執筆
2019年7月12日 加筆訂正