「怪談・99」(220円)



 収録作品

・浜慎二「北へ行った男」
「北海道の稚内(わっかない)。  15年前に失踪した映画スター三上哲也を、かつて映画スタッフだった日暮が尋ねてくる。
 三上哲也は、船着き場の倉庫同然の所に住んでおり、そこに住んでいた絵描きの老人が手紙をよこしたのであった。
 日暮は三上哲也に面会しようとするが、三上哲也はドアを決して開けようとはしない。
 ドア越しに日暮は失踪の理由を問いただすと、プロダクションの社長が起こした殺人事件を目撃して、命を狙われたためだと答える。
 日暮は、今雑誌の編集長をしていると話し、社長の過去の犯罪を暴くために、三上哲也に証言を求める。
 そして、夜の十時に波止場でじかに会う約束を取り付けるのだが…」
 「怪談・62」からの再録。タイトル・ページをご覧になりたい方はそちらへどうぞ。
 菊地秀行氏・編「貸本怪奇まんが傑作選 怪の巻」(立風書房)にて復刻されております。

・小島剛夕「魔神の技」
「自分に自信を持てぬ侍が、とある托鉢僧に教えられ、神社に封印されている妖刀村正を手にする。
 大切な試合には勝ったものの、彼の噂を聞いた武芸者達を次々と斬ることになり、侍は自分が村正に操られていることを知るのだった…」
 このマンガを読んで思ったことは、女性キャラが出てこないと、物足りません!! ということです。
 「オール怪談・44」(貸本/ひばり書房)からの再録。

・岩井繁夫(しげお)「カメレオン」
「とある青年が知り合った女性は、特異体質の持主だった。
 彼女は、独り身の孤独ゆえ、母親や祖母のメークアップをして、鏡の中で母親や祖母になりきって対話していた。
 しかし、そのうちに顔かたちを自由に変えることができるようになる。
 青年がその秘密を知った時、破局が訪れる…」
 どことなく気持ちの悪い話です。後味の悪さはかなりのもの…。

・西たけろう「まっ白な電話」
「静養のために、以前暮らしていた町の、別荘を借りた女作家。
 仲良し三人組が手伝いのために、訪ねてくるはずが、一人だけいつまでもやってこない。
 やきもきしているうちに、別荘の白い電話が鳴り、遅れている彼が今、病院にいると言う。
 皆が病院に向かうと…」

 中表紙、目次ページのイラスト、浜慎二「北へ行った男」は「怪談・62」からの流用です。

・備考
 綴じ糸あり。

2014年6月16日 ページ作成・執筆
2016年8月17日 加筆訂正

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