好美のぼる「呪いのホクロ」(1979年11月15日第1刷・1985年4月15日第13刷発行)

「木塚京子は田所家に仕える使用人の娘。
 彼女は、田所家の令嬢、ルリ子と年も姿形もそっくりで、違いはルリ子の左目の下にあるホクロぐらい。
 でも、待遇は雲泥の差で、加えて、ルリ子は、意地が悪く、見栄っ張りで、京子を好きなように使う。
 ある日、京子はルミ子のバドミントンの相手をすることになる。
 日頃の腹いせとばかり、京子がルリ子をこてんぱにすると、ルリ子は京子のジェラシーを敏感に見抜く。
 そこで、ルリ子は自分の格好を京子にさせ、自分は京子の格好をし、一日入れ替わることを提案する。
 だが、京子の格好をしたまま、ルリ子が事故死したことから、京子はルリ子に間違われてしまう。
 憧れの生活を手に入れた京子は、ルリ子になりきろうと努める。
 だが、京子の前に、ルリ子の怨霊が度々現れ、彼女を悩ますようになる。
 更に、京子に対して、疑いの目を向ける者も…」

 「入れ替わり」をテーマにしたサスペンス作品は多々ありますが(注1)、好美のぼる先生も挑戦しておりました。
 ただし、好美のぼる先生に「緊迫した心理劇」のような芸当はできるわけがなく、金持ちの娘になりかわった娘がグロい亡霊にあの手この手で苛まされる描写が延々と続きます。
 そこに深みは感じられないけれど、まあ、わかりやすいっちゃあ、わかりやすいよね。
 とりあえず、表紙の「眼球だらーん」だけでも、アニメ版「はだしのゲン」がトラウマになった層にはアピールすると思います。(個人の感想です。)

・注1
 今、ぱっと思い浮かぶものと言えば、
 美内すずえ先生「孔雀色のカナリア」
 花村えいこ先生「白い仮面」
 川島のりかず先生「悪魔の花は血の匂い」
 ぐらいでしょうか。
 他にもまだまだあったはずだけど、思い出せない…。

2018年7月17日 ページ作成・執筆

立風書房・リストに戻る

メインページに戻る