「ホラーグルメVol.5」(2016年8月14日初版発行/値段の記載なし)

 収録作品

・関よしみ「抽出し」
「認知症の母親の介護に追われる主婦、直美。
 娘の久留美が感心するほど、文句一つ言わずに甲斐甲斐しく面倒を見ていたが、それには秘訣があった。
 直美は夢の中で幾度も母親を殺し、その罪悪感から、認知症の母親に優しく接することができる。
 ある日、母親がいつも開けようとしているタンスの中から声が聞こえてくるが、その声は…」

・きもとのりこ「白昼夢」
「あるパン屋を牛耳る、ヒステリックなお局パートの島谷。
 店長は彼女に首根っこを押さえられ、新しいパートやバイトは精神的に追い詰められて辞めていく。
 ある日、彼女が休憩室から出た途端、急な頭痛に襲われる。
 頭痛が消えると、職場には前に辞めたパートが二人、売り場にいた…」

・白井幸子「目覚め」
「紗世はたまに夢から脱け出せないことがあった。
 いくら目覚めても、また夢の中で、彼女は現実を取り戻そうともがく。
 そして、彼女が本当に目覚めた時…」

・DATゾイド「血みどろホラー漫画の世界@」
 城たけし「呪われた巨人ファン」、川島のりかず「殺しても生きてる女」(画像の下に誤植あり)、まちだ昌之「血ぬられた罠」、好美のぼる「呪いの盲猫」を紹介。

・七色虹子「DEATH DREAM BELIEVER」
「自分だけ自転車に乗り、犬を走らせる、おっさん。
 その散歩方法に憤る女子高生がその夜に見る夢は…?」

・有田景「正男さん」
「喫茶店でウェイトレスを勤める女性は半年前から正男さんの夢を見る。
 彼は夢の中の恋人であったが、彼女の周囲に彼に似た人物はいない。
 ある夜、仕事の帰り道、彼女は彼の正体を知ることになるのだが…」

・稲垣みさお「恋の迷路」
「ヒロインにとって七月二十九日は無意味記念日。
 その名の通り、何も記念することがない日。
 しかし、彼女はその日に恋人から別れの電話を受け、このままでは「失恋記念日」になってしまう。
 「失恋」を忘れようと彼女は様々な方法を試みるが…」

・かずはしとも「真夜中の秘法」
「山奥の城。
 そこで、お后(きさき)は、処女の生き血を浴びることによって、若さと美しさを維持しようとしていた。
 ある嵐の夜、北の国の薬師と名乗る青年が一夜の宿を借りに、城を訪れる。
 お后は、彼の赤子のように白い肌を見て、彼の調合する薬を欲する。
 薬師の正体は…?
 そして、お后はある人物と再会することになる…」

・「グルメイト通信」(和田みずな/文と絵を担当しているのでしょうか?)〜読者からの「悪夢」に関する投稿を紹介。
・「地獄のシェフ名鑑」(背景/月丘リリィ)〜先生方の「悪夢」に関するコメント。
・表紙は七色虹子先生、裏表紙の「呪術の魔子ちゃん」は和田みずな先生

 個人的なベストは、心象風景がバッド・トリップとしか形容のしようがない、稲垣みさお先生「恋の迷路」です。
 実物の人形とセットを使って、写真で構成した絵本にしたら、世にも妙なる「トラウマ絵本」が誕生するでありましょう。そのぐらいキョーレツです。
 関よしみ先生の「抽出し」も、自分の介護体験がダイレクトに反映しているようで、考えさせられます。

2017年11月26日 ページ作成・執筆

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