鶴岡法斎・編「呪われたマンガファン」(1998年2月2日第1刷発行)

 収録作品

・まえがき
・「一流品だけでは世界は成り立たない!」
・城たけし「呪われた巨人ファン」
・さくらまいこ「呪い人形に皆殺された」
・なかのゆみ「血に染まる月下美人」
・川島のりかず「生首が帰って来た」
・あとがき
・解題 唐沢俊一「失われた「根源のパワー」を求めて」

 「ガラクタ文化」の評論家(らしい)鶴岡法斎氏による、1980年代のヒバリ・ヒット・コミックスの単行本作品を四冊収めた本です。
 売りは、城たけし先生「呪われた巨人ファン」と、川島のりかず先生「生首が帰って来た」の二つ。
 両方とも、内容とはそぐわないプレミア価格がついておりますので、とりあえず、読んでみたい方にはお勧めの一冊です。
 ですが、私、この本が出版された当時から、何かもやもやしたものを感じておりました。
 まず、作品のチョイスがビミョ〜過ぎるのです。
 恐らく、1980年代に描かれたものに限定したためと思われますが、ひばり書房の有名どころが軒並み漏れて、なかのゆみ先生やさくらまいこ先生といった「それなりには面白いけど、復刻するほどのものなの?」な感じの漫画家さんが収録されております。
 それだったら、ひばり書房にこだわらず、立風書房のレモンコミックスまで手を広げて、より面白い作品を収録した方が良かったのでは?
 探せば、いくらでも復刻する価値のある作品はあるのに、中途半端な感が拭えません。
 推測でしかありませんが、最初に「呪われた巨人ファン」ありきで、残りの作品はテキト〜に集めたような印象を持ってます。
 更に、唐沢俊一氏にも共通することですが、この手のマンガを「ゴミ」扱いする態度に(共感する部分も多少はあるものの)根本的に反発を感じてしまうのです。
 個人的には、この人達はこういうマンガをヘンなものとして面白がっているだけで、「愛」してはいないように思います。
 怪奇マンガをヘンなものとして楽しむのは自由だけど、そんな底の浅いものじゃないよ!!

2018年4月13日の金曜日 ページ作成・執筆

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