森由岐子「母が私を狙ってる」(220円)

「悦子は、父親が幾つもデパートを経営する、お金持ちのお嬢様。
 優しい父親と、女中の民子と共に幸せな生活を送っていたが、母親がいないのが唯一の不満。
 母親は悦子が産まれてまもなく亡くなっており、父親によると、庭にある桜の精のような、美しい女性だったという。
 ある日、デパートのレストランで、悦子と父親は、亡くなった母親とそっくりな女性と出会う。
 縁あってか、後日、悦子はその女性と再会し、母親になってくれるよう頼む。
 かおるという名の女性は、仕事のため、未婚であった。
 とんとん拍子に話が進んで、悦子の父親はかおると結婚。
 悦子は母親ができて、有頂天であったが、ある夜、かおるの秘密を知る。
 かおるは、素顔を仮面で隠した、老婆であった。
 かおるの正体とは…?」

 唐沢俊一&ソルボンヌK子「森由岐子の世界」(白夜書房)にて、丸ごと復刻された作品です。
 森由岐子先生が描かれた貸本怪奇マンガは(私が読んだ限りでは)どれも安定した出来で、この作品も安心して読めます。
 わざわざ「突っ込み」を入れなくても、普通に楽しめる作品ではないでしょうか。
 でも、唐沢俊一氏の指摘にある通り、父親のキャラはなかなかヒドいや。

・備考
 ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。pp6・7、ページどうしが貼りついたための剥げあり。後ろの見開きに貸本店のスタンプと書き込みあり。

2019年6月19日 ページ作成・執筆

貸本・ひばり書房・リストに戻る

貸本ページに戻る

メインページに戻る