「オール怪談・19」(150円)
収録作品
・古賀しんさく「こわれた彫刻」
「ハイキングに行き、道に迷ってしまった青年。
たどりついた無人の館には、いくつも彫刻があった。
その中に、ひどく壊された男の彫刻があり、彫刻自身が壊された訳を語り始める。
その彫刻は、作者が精魂を傾けて作ったために、生命を持つようになった。
だが、彫刻は自由を求めるようになり…」
ヘンな話です。
パンツをはいた彫刻が右往左往する様がますますヘンさに拍車をかけます。
・古谷あきら「次ハ樂園前」
「呪いのわら人形で、同僚を死に追いやった男。
自分に疑いがかからず、楽観していたものの、同僚の霊に悩まされることになる。
とある日、電車に乗っている時、樂園前という駅にさしかかり、そこの素晴らしさに魅了される。
亡霊に悩まされる日々に嫌気がさした彼は、樂園前という駅で降りることを決心するが…」
・山下よしお「虐殺者」
「主人公と、ガールフレンドには、首の同じところにホクロがあった。
そして、二人は、どこかの収容所で掘った穴に入れられて、銃殺される夢を、共通して見るのだった。
二人は、山の別荘に住む外国人と知り合う。
外国人の別荘を訪れた時、二人のほくろが痛み出し、辞去するが、それがきっかけで二人の前世が明らかになる…」
・福田三省「呼ぶ屍(しかばね)」
「元・特攻隊の生き残りで、今は死体置き場のプールの管理人をしている男。
彼は、同じく特攻隊の同期で出世した男を殺害して、プールに沈める。
うまく死体を始末したものの、今度は暴力団から死体の始末を依頼され、手を貸すことに…」
何と申しましょうか、ひどく殺伐としたマンガです。
何故に二度も再録されたのか全く謎です。
「オール怪談・増刊」にて再録。また、「怪談全集」(ひばり書房黒枠)にも再録されてます。
・備考
状態、非常に悪し。カバー欠。糸とじ。切れ・欠損、多数あり。p29、pp106〜108、pp140〜142に焼け焦げ、また焼け焦げによる穴あり(虫眼鏡を使って目の辺りを焼いたものと推測)。pp91・92、ページの下部三分の一ぐらいの欠損。
2014年7月12日 執筆・ページ作成
2019年8月20日 加筆訂正