森由岐子「恐怖館のシンデレラ」(1981年3月15日第1刷・1982年7月15日第3刷発行)
「看護婦の、あかりは、事故で入院していた、館家の御曹司、圭一と知り合い、あらゆる手腕を用いて、婚約者の座を得る。
あかりは孤児で、散々辛酸を嘗めており、大財閥夫人になることに有頂天。
だが、彼との結婚の話がまとまり始めた頃から、あかりは毎夜、悪夢に悩まされるようになる。
夢の内容は、あかりが謎の女に惨殺されてしまうものであった。
そんな中、あかりは圭一の母に面会することとなる。
圭一の母親は下半身が不自由で、車椅子で生活していた。
彼女はあかりに一か月、この家で過ごすことができれば、結婚を許すと条件を提示する。
あかりは一か月の辛抱と高をくくっていたが、たびたび、夢の女に襲われる幻覚を視るようになる。
更には、顔がボロボロに焼けただれた女もあかりの前に何度も姿を現わす。
顔が焼けただれた女が実在することを知り、あかりはその女の正体を探るのだが…。
あかりは一か月、この屋敷で無事に過ごせるのであろうか…?」
唐沢俊一&ソルボンヌK子「森由岐子の世界」(白夜書房)にて紹介された作品です。
「婚約者 or 二度目の妻が旦那の屋敷でスリラー・ショック!」の内容です。(他には「人形館の花嫁」「あかずの間の死美人」があります。)
前の袖によると、長い都会生活に疲れ、帰郷してからの第一作とのこと(森先生の写真付)。
都会生活でかなり毒が溜まっていたのか、ヒロインが良くも悪くもガッツあり過ぎ(特にラスト付近)で、森先生にとってはかなりのデトックス効果があったのではないでしょうか?
ちなみに、ラストはほろ苦いです…。
2019年1月30日 ページ作成・執筆