いばら美喜「まっぴら御免」(220円)



「くろしお丸に乗り、ようやく日本に戻って来た紅達矢。
 恋人の由美と再会するのも束の間、ペトロポンの入ったカバンを盗まれてしまう。
 達矢は盗んだ男を探すが、皆目、見当がつかない。
 そこで、蛇の道は蛇と、野宮組の事務所に乗り込み、カバンの中身はヘロインだと芝居を打つ。
 組員達は盗んだ男の恋人のもとに行き、男の居場所を聞き出そうとしたところに、達矢が参上、組員たちをのしてしまう。
 達矢は彼女から男の隠れ家に案内してもらうが、女は男を殺害した後、カバンと共に逃走。
 女は野宮組と取引し、ペトロポンの入ったカバンは野宮組に渡る。
 達矢は野宮組の連中を追うが、彼らは組長を刑務所から脱獄させようとしている最中であった…」

 「まっぴら御免」の後日譚です。
 ペトロポンが登場はしますが、威力を発揮することはほとんどなく、ペトロポンの入ったカバンを取り戻そうと、紅達矢がえっちらおっちらする内容です。
 というワケで、怪奇色は非常に薄く、前作のノリを期待すると裏切られます。
 ミステリーマガジン・シリーズの中でも印象の薄い一作のように思います。

・備考
 ビニールカバー貼り付け、それによる歪みあり。また、ビニールカバーの一部が剥げ、下のカバーが痛み。糸綴じあり。後ろの遊び紙に書き込みあり。

2018年5月1日 ページ作成・執筆

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